海外ジャーナルクラブ
2年前
Coughlanらは、 Wisconsin Registry for Alzheimer Preventionに登録された認知機能に障害のない男女を対象に、 性別、 閉経年齢、 ホルモン療法 (HT) の使用とタウ沈着の関連を横断研究で検討。 その結果、 女性、 早い閉経年齢、 遅いHTの開始が局所の高いタウ蓄積量と関連していることが明らかになった。 本研究はJAMA Neurol誌にて発表されました。
PETでタウを測定することからやはりN数が少なくなっています。 早期閉経は18名、 早発閉経は9名だけです。 暴露とアウトカムの直接的は評価が困難であったように思います。
閉経後の女性は、 アルツハイマー病患者の約70%を占めている。 これまでの文献では、 認知機能障害のない閉経後女性では、 年齢をマッチさせた男性と比較してタウのレベルが高く、 特にβアミロイド (Aβ) が高い場合に高いことが示されてる。 しかし、 女性におけるタウ沈着量の増加に関連する生物学的メカニズムはまだ解明されていない。
Wisconsin Registry for Alzheimer Preventionに登録された認知機能に障害のない男女。
早発閉経 (40歳未満で閉経) 、 早期閉経 (40~45歳で閉経) 、 通常閉経 (45歳以上で閉経) 、 HT使用の有無についての自己報告を収集。
側頭葉、 頭頂葉、 後頭葉で性差を示す7つのタウPET領域を対象。
女性性 (標準化β=-0.41、 95%CI -0.97--0.32、 P<0.001) 、 早い閉経年齢 (標準化β=-0.38、 95%CI -0.14--0.09、 P<0.001) 、 HT使用 (標準化β=0.31、 95%CI 0.40-1.20、 P=0.008) は、 男性性、 遅い閉経年齢、 HT非使用と比較して局所の高いタウ蓄積量と関連していた。
影響を受ける部位は、 側頭葉と後頭葉の内側と外側の領域で認められた。
HTの開始が遅い場合 (閉経年齢から5年以上) は、 開始が早い場合と比較して、 より高いタウ蓄積量と関連していた (β=0.49、 95%CI 0.27-0.43、 P=0.001) 。
女性は年齢をマッチさせた男性と比較して、 特にAβが上昇している状況で、 高いタウ蓄積量を示した。 女性では、 閉経年齢が早く、 HTの開始が遅いことが、 特に新皮質のAβが上昇したときのタウ蓄積量の上昇と関連していた。 これらの観察結果は、 女性のサブグループが病的負担のリスクが高い可能性を示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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