海外ジャーナルクラブ
13日前

Våbenらは、 リウマチ性多発筋痛症 (PMR) が疑われるグルココルチコイド未投与患者を対象に、 筋骨格エコーの診断精度を2つの多施設コホートで検討した。 その結果、 炎症性病変を少なくとも1カ所に認める場合は高い感度を示し、 肩帯と骨盤帯の両方に病変を認める場合は高い特異度を示した。 一方、 他の炎症性リウマチ性疾患との鑑別能には限界があった。 研究結果はLancet Rheumatol誌に発表された。
PMR診断にゴールドスタンダードがないため、 6・12か月後の臨床診断を基準としました。 ベースラインの筋骨格超音波所見も最終診断に用いられたため、 incorporation biasにより診断精度が過大評価された可能性があります。
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PMRは診断が難しく、 筋骨格エコーは主に診断に迷う場面で用いられている。 ただし、 PMRを対象とした既報のエコー研究は、 症例対照デザインや代表性の低いコホートに基づいており、 診断精度の評価には制約があった。
本研究は、 PMRが疑われる患者の2つの独立したコホートにおいて、 筋骨格エコーの診断精度を検証した。
リウマチ科に紹介された、 グルココルチコイド未投与のPMR疑い患者を連続登録した。 対象は、 オランダのUniversity Medical Center Groningenにおける後ろ向きコホート (2019年4月30日~2024年2月13日) と、 デンマークのAarhus University Hospital、 Silkeborg Regional Hospital、 Horsens Regional Hospitalにおける前向きコホート (2020年9月14日~2022年6月30日) であった。
Aarhusコホートは近位筋または関節の疼痛を有する50歳超の患者を対象とし、 巨細胞性動脈炎を示唆する頭部症状、 過去5年以内の癌、 既存の炎症性リウマチ疾患を有する患者を除外した。 Groningenコホートでは明示的な紹介基準を設けなかった。
参加者はプロトコルに基づく診察と筋骨格エコーを受け、 参照基準は6ヵ月 (Groningen) または12ヵ月 (Aarhus) の追跡後の臨床診断とした。
エコー評価部位は、 両コホート共通で肩峰下・三角筋下滑液包炎・上腕二頭筋腱鞘滑膜炎・股関節滑膜炎、 Groningenでは加えて肩甲上腕関節滑膜炎・大転子滑液包炎とし、 PMRエコー病変カウント*を算出した。 個々の病変と病変の組み合わせの診断性能は、 感度・特異度・尤度比・受信者動作特性 (ROC) 解析で評価した。
Groningenコホートは92例で、 6ヵ月の追跡後に58例 (63%) がPMRと診断された。 Aarhusコホートは93例で、 12ヵ月時点で66例 (71%) がPMRと診断された。
PMRを確定できる単一のエコー所見はなかった。 感度が最も高い組み合わせは、 炎症性病変1ヵ所以上の存在であり、 感度はGroningen (10部位カウント) で93% (95%CI 83-98%)、 Aarhus (6部位カウント) で92% (同 83-98%) であった。
特異度が最も高い組み合わせは、 肩帯と骨盤帯のそれぞれに炎症性病変を1ヵ所以上認める場合で、 Groningenで85% (95%CI 69-95%)、 Aarhusで93% (同 76-99%) であった。
ROC解析による曲線下面積 (AUC) は、 Groningenの10部位カウントで0.779 (95%CI 0.675-0.883)、 Aarhusの6部位カウントで0.769 (同 0.664-0.875) であった。
筋骨格エコーの性能は、 PMRと非炎症性疾患との鑑別の方が、 他の炎症性リウマチ性疾患との鑑別より良好であった。
著者らは、 「筋骨格エコーで肩帯・骨盤帯に病変を認めない場合、 PMRの可能性は低い一方、 同様の病変は他の炎症性リウマチ性疾患でも認められるため、 陽性所見の解釈には慎重な臨床評価が必要と指摘した。 その上で、 筋骨格エコーはPMR疑い患者における臨床評価の補助となる可能性がある」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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