HOKUTO編集部
4ヶ月前
化学療法抵抗性のKRAS G12C変異陽性mCRC患者におけるKRAS G12C阻害薬ソトラシブ+抗EGFR抗体パニツムマブ併用療法の有効性を、 標準治療を対照に検証した第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験CodeBreaK 300のOS最終解析の結果より、 ソトラシブ+パニツムマブによるOSの有意な改善は認められなかった。 ただし、 ソトラシブ960mg+パニツムマブ群ではOSの改善傾向が認められた。 米・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのMarwan Fakih氏が発表した。
KRAS G12C変異は大腸癌患者の約3%に発現し、 予後との関連性が指摘されている。
CodeBreaK 300試験の主解析では、 主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)において、 ソトラシブ+パニツムマブ併用療法の標準治療に比した有意な延長が報告されている¹⁾。 今回、 2023年12月18日をデータカットオフ日とする同試験の全生存期間 (OS) を含む最終解析結果が報告された。
化学療法抵抗性のKRAS G12C変異陽性mCRC患者
160例が以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目
盲検独立中央判定 (BICR) の評価によるPFS
副次的評価項目
OS、 奏効率 (ORR)
3群間で概ねバランスが取れていた。
追跡期間中央値
死亡イベント発生率
45% (24例)
53% (28例)
中央値(95%CI)
11.9ヵ月
vs 標準治療群のハザード比 (HR)
HR 0.70 (95%CI 0.41-1.18)、 p=0.20
HR 0.83 (95%CI 0.49-1.39)、 p=0.50
【中央値(95%CI)】
5.8ヵ月
4.0ヵ月
【vs 標準治療群のHR】
HR 0.46 (95%CI 0.29-0.72)
HR 0.57 (95%CI 0.37-0.88)
ORR (95%CI)
30%
8%
奏効期間中央値
有害事象 (AE)
新たな安全性シグナルは認められなかった。
Fakih氏は 「化学療法抵抗性のKRAS G12C変異陽性mCRCにおいて、 OSにおける有意差は検出されなかったものの、 ソトラシブ960mg+パニツムマブ群では同240mg+パニツムマブ群や標準治療群と比較し、 OSの改善傾向が認められた。 これらの結果は、 ソトラシブ960mg+パニツムマブ併用療法が、 KRAS G12C変異mCRCに対する新たな標準治療であることを支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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