海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Nikitasらは、 根治的前立腺全摘除術後に前立腺特異抗原 (PSA) >0.03ng/mLまたは不良な病理学的所見を有する前立腺癌患者を対象に、 体幹部定位放射線治療 (SBRT) の毒性と患者報告転帰 (PRO) を第II相単群試験で検討した。 その結果、 SBRTの忍容性は良好であり、 尿・排便機能関連のPROでは、 従来の分割放射線治療と有意差が認められなかった。 試験結果はJAMA Oncol誌に発表された。
この試験では、 COVID-19のパンデミックに伴う人員制約によりオンライン適応放射線治療が標準的に実施されず、 実施されていれば有害事象のさらなる軽減が期待された可能性があります。
生化学的再発や不良な病理学的所見がある前立腺癌に対して、 根治的前立腺全摘除術 (RP) 施行後の放射線治療は依然として不十分である。
体幹部定位放射線治療 (SBRT) は放射線治療の実施率向上に寄与する可能性があり、 放射線生物学的にも有利な点があると考えられている。
米国の大学病院2施設で、 RP後に前立腺特異抗原 (PSA) >0.03ng/mLまたは不良な病理学的所見を有する男性の前立腺癌患者100例を対象に、 SBRTとして前立腺床に30~34Gyを5分割で照射した。 リンパ節照射、 顕在病変へのブースト照射、 ホルモン療法の併用は医師の判断により実施した。
晩期毒性 (治療後90日以上) は、 CTCAE v4.03に基づき評価した。
このほか、 Expanded Prostate Cancer Index-26 (EPIC-26) を用いて評価した患者報告転帰 (PRO) について、 ベースラインスコア、 年齢、 リンパ節照射の有無で調整したロジスティック回帰モデルを用い、 分割放射線治療 (CFRT) を受けた患者 (CFRT群) 200例と比較した。 最初の2年間において、 任意の時点のPROスコアが臨床的に意義のある最小差 (MCID) の2倍以上低下した患者の割合を評価した。
SBRTを受けた患者 (SBRT群) 100例の年齢中央値は68.5歳 (IQR 63.9-71.4歳)、 追跡期間中央値は43ヵ月 (IQR 37-53ヵ月) であった。
晩期のGrade 2と3の泌尿生殖器毒性の累積発現率はそれぞれ25%と4%、 消化管系毒性はいずれも3%であった。
PROがMCIDの2倍以上低下した患者の割合は、 尿失禁で38.9%、 尿路刺激で17.9%、 排便機能で34.1%であった。
SBRT群でPROがMCIDの2倍以上低下した患者の調整オッズ比 (vs CFRT群) は以下の通りであり、 いずれも有意差が認められなかった。
著者らは 「本試験で、 RP後のSBRTは忍容性が高く、 尿・排便機能関連のPROは2年間にわたりCFRTと同等であった。 今後、 無作為化試験と長期間の追跡により、 SBRTの晩期毒性と有効性プロファイルがさらに明確になるであろう」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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