HOKUTO編集部
6日前

1次治療後に脳転移を認めない小細胞肺癌 (SCLC) において、 予防的全脳照射 (PCI) を省略したMRIサーベイランス単独の有用性を検討した第Ⅲ相無作為化比較試験SWOG S1827/MAVERICKの結果から、 MRI単独群では、 PCI併用群と比べて認知機能低下なし生存期間 (CFFS) が有意に改善することが示された。 米・University of ColoradoのChad G. Rusthoven氏が発表した。
60%の患者に脳転移が生じる。 PCIは頭蓋内進行のリスクを約50%低減し、 標準治療とされてきた一方、 認知機能やQOLへの影響が懸念されている。 MRIによる脳転移の早期発見と救済治療が可能となった現在、 PCIの意義があらためて問われている。
対象は、 1次治療後に病勢進行がなく、 脳転移の既往およびMRI上の脳転移を認めない限局型 (LS) または進展型 (ES) SCLC患者だった。 免疫療法の併用は可とし、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 CFFSとし、 認知機能低下または死亡までの期間と定義された。 304例が登録され、 適格性が確認された303例を解析対象とした。
認知機能評価を行った220例における6ヵ月CFFS率は、 MRI単独群37.8% (90%CI 30.0-45.5)、 PCI併用群16.5% (90%CI 10.7-23.4) であり、 MRI単独群で認知機能低下・死亡のリスクが有意に低下した (HR 0.60 [90%CI 0.46–0.78]、 片側p=0.0005)。 この傾向は病期や免疫療法の有無を問わず一貫しており、 交互作用は認められなかった。
128イベント時点の予備解析では、 OS中央値はMRI単独群29.8ヵ月、 PCI併用群31.4ヵ月で、 有意差を認めなかった (HR 0.90 [90%CI 0.67-1.20])。 90%CIの上限は現時点で非劣性マージンの1.25を下回っていたが、 OSの最終的な非劣性評価は190イベント到達後に行われる。
PFSにも有意差はなかった (HR 0.96 [90%CI 0.75-1.23])。 一方で、 脳転移の累積発生率はMRI単独群で高かった (sHR 2.19 [95%CI 1.31-3.64])。
治療関連有害事象 (AE) の発現は、 ≧Grade 2がPCI併用群41.3%、 MRI単独群1.7%、 ≧Grade 3がそれぞれ7.9%、 0.8%であり、 Grade 3以上のAEはPCI併用群で有意に多かった (p=0.004)。 また、 PCI併用群では治療関連のGrade 5 脳症が1例報告された。
Rusthoven氏は、 「本試験の結果は、 SCLC患者においてMRIサーベイランス単独を優先すべき管理法として支持するものである」 と結論付けた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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