海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Pérez-García氏らは、 HER2陽性早期乳癌を対象に、 18F-FDGを用いたPET検査に基づく病理学的完全奏効 (pCR) を評価指標とする、 化学療法を追加しない抗HER2抗体トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法での治療の実現可能性、・安全性・有効性について、 第II相多施設共同非盲検無作為化比較試験PHERGainで検討。 その結果、 同併用療法は化学療法併用群に比べ、 3年無浸潤疾患生存 (iDFS) 率において優れていた。 本研究はLancetにおいて発表された。
長期アウトカム結果並びに今後のP3研究結果が期待されます。
HER2陽性かつStage I~IIIAで手術可能な浸潤性乳癌で、 PETで評価可能な病変を1つ以上有する患者 : 356例
患者を1 : 4の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。
治療2サイクル後におけるB群のpCR (既報)、 B群の患者における3年iDFS
B群の3年iDFS率 : 94.8% (95%CI 91.4-97.1%)
p=0.001
治療関連有害事象 (TRAE) および重篤な有害事象 (SAE) は、 B群がA群に比べて低い発現率を示した。
Grade3以上のTRAE発現率
Grade3以上のSAE発現率
B群におけるPET反応例でpCRが認められた症例は、 Grade3以上のTRAEの発現率1%と最も低かった。 また、 SAEも確認されなかった。
著者らは 「HER2陽性の早期乳癌患者において、 PET検査に基づくpCRを評価指標としたトラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法は、 優れた3年iDFS率と関連していた。 この結果から、 同患者の3分の1が、 化学療法を安全に省略可能であることが示された」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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