HOKUTO編集部
6ヶ月前
cCRT後にPDを認めなかったLS-SCLCに対する抗PD-1抗体デュルバルマブ±抗CTLA-4抗体トレメリムマブ地固めの有効性および安全性について、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相国際共同二重盲検無作為比較試験ADRIATICの初回中間解析より、 デュルバルマブ単剤 vs プラセボの結果が報告され、 デュルバルマブ単剤によるOSおよびPFSの有意な延長が示された。 米国・Sarah Cannon Research InstituteのDavid R. Spigel氏が発表した。
限局型小細胞肺癌 (LS-SCLC) の標準治療は、 プラチナ製剤をベースとした同時化学放射線療法 (cCRT) ±予防的頭蓋照射 (PCI) である。
切除不能なStageIIIの非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象にcCRT後の地固めデュルバルマブを検討した第Ⅲ相PACIFIC試験では、 PFSおよびOSの有意な改善が示された¹⁾²⁾。
ADRIATIC試験では、 cCRT後に病勢進行 (PD)を認めなかったLS-SCLC患者に対する地固め療法として、 デュルバルマブ±トレメリムマブが評価された。
cCRT後に進行しなかったLS-SCLC患者
今回は最初の中間解析として、 デュルバルマブ群とプラセボ群の結果が報告された。
主要評価項目
デュルバルマブ群 vs プラセボ群のOS・PFS
副次的評価項目
デュルバルマブ+トレメリムマブ群 vs プラセボ群のOS・PFS、 安全性
シスプラチン+エトポシド : 65.5~66.9%
カルボプラチン+エトポシド : 33.1~34.5%
1日1回 : 70.3~73.9%
1日2回 : 26.1~29.7%
データカットオフ時点*での治療継続割合
最大24ヵ月時点での治療完了割合
OS
【追跡期間中央値】
【中央値(95%CI)】
HR 0.73 (95%CI 0.57-0.93)、 p=0.0104
【OS率(24ヵ月時、 36ヵ月時)】
【サブグループ解析】
事前に規定されたほぼ全てのサブグループにおいて、 デュルバルマブ群のプラセボ群に対する優位性が一貫して認められた。
PFS
【追跡期間中央値】
27.6ヵ月
【PFS中央値(95%CI)】
HR 0.76 (95%CI 0.61-0.95)、 p=0.0161
【PFS率(18ヵ月時、 24ヵ月時)】
【サブグループ解析】
事前に規定されたほぼ全てのサブグループにおいて、 デュルバルマブ群のプラセボ群に対する優位性が一貫して認められた。
【Grade3/4のAE】
【重篤なAE】
【Grade3/4の免疫関連AE】
【治療中止に至ったAE】
【死亡に至った治療関連AE】
【全Gradeの肺炎/放射線肺臓炎】
【Grade3/4の肺炎/放射線肺臓炎】
【死亡に至った肺炎/放射線肺臓炎】
【治療中止に至った肺炎/放射線肺臓炎】
Spigel氏は 「LS-SCLC患者に対するcCRT後の地固め療法としてのデュルバルマブ投与は、 プラセボと比較し、 OSとPFSを有意に改善させた。 またデュルバルマブは忍容性が高く、 新たな安全性シグナルは認められなかった。 この結果より地固め療法としてのデュルバルマブは、 cCRT後にPDを認めなかったLS-SCLC患者の新たな標準治療となるだろう」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。