【更新】レカネマブ正式承認、 添付文書の注意点 ~アルツハイマー病治療はどう変わる?~
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HOKUTO通信

7ヶ月前

【更新】レカネマブ正式承認、 添付文書の注意点 ~アルツハイマー病治療はどう変わる?~

【更新】レカネマブ正式承認、 添付文書の注意点  ~アルツハイマー病治療はどう変わる?~
エーザイ提供
厚生労働省は25日、 アルツハイマー病 (AD) 治療の新薬 「レカネマブ」 (商品名レケンビ®) の国内での製造販売を了承した。 年内にも保険適用される見通し。 ADの進行を緩やかにする効果を証明した国内初の薬となる。

2週間に1回点滴投与

2週間に1回、点滴で投与する。対象は、神経細胞を傷つけるとされるアミロイドβタンパク質が脳内に蓄積した軽度AD患者と、その前段階の軽度認知障害 (MCI) の人。国内に500万~600万人いるとみられ、エーザイは実際に使用するのはこのうち1%程度と推計している。「中等度」 や 「重度」 の人は対象外。

レカネマブはエーザイと米バイオジェンの共同開発。 エーザイは1月、 レカネマブの製造販売について医薬品医療機器総合機構 (PMDA) に承認申請し、 厚労省から審査期間を短くする 「優先審査品目」 に指定されていた。

レカネマブはアミロイドβがたまるのを抑え、 蓄積したとしても減少を促して病気の進行そのものを抑える。 これまでのアルツハイマー病治療薬は、 神経脱落に伴って進行する脳内のアセチルコリン減少を抑え、 症状改善を目指す対症療法薬だった。

第Ⅲ相無作為化比較試験Clarity ADでは、 主要評価項目である🔢CDR-SBスコア (記憶、 判断力など6項目) の悪化が、 プラセボ群と比べてレカネマブ群では27%有意に抑制*された。

*CDR-SBの18カ月間の変化 (悪化量) が、 偽薬群1.66に対して投与群1.21と、 投与群の悪化が有意に少ない結果であった。

添付文書の注意点

一方、 病状を戻したり、 根治したりすることは期待できない。 脳のむくみや、 出血などの副作用も報告されている。

25日に公表されたレカネマブの添付文書には、 検査体制などが整備された医療機関で、 リスク管理ができる医師の下で使用するよう明記。 副作用リスクは患者や家族に十分に情報提供をした上での同意が必要とされた。 投与開始前に一定程度の微小出血がある人などは使用できない。

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NEJM:レカネマブ投与、 早期アルツハイマー病の進行抑制に有効 (Clarity AD試験)

N Engl J Med. 2023 Jan 5;388(1):9-21. PMID: 36449413

関連資料

PDMA : レカネマブ添付文書

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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