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MDアンダーソンがんセンター 感染症科

299日前

VCM バンコマイシンのTDMについて【感染症専門医による抗菌薬まとめ】

ポイント

  • 本来は、 AUC/MIC≧400が臨床および細菌学的効果の予測指標とされたが、実臨床ではルーチンのAUC評価は推奨されない [C2-III].
  • 実臨床では、定常状態時の最低血中薬物濃度であるトラフ値がAUCの代替指標[B-II].

TDMの方法は?

  • 腎機能正常で1日2回投与の場合、定常状態に達していると考えられる4-5回投与前30分以内 (3日目) にTDMを行う [B-II]

=最低血中薬物濃度「トラフ値」

  • ルーチンでのピーク値測定は非推奨[C2-III].

TDMの目標値は?

  • 目標トラフ値は10-20 μg/mL [B-II]
  • 菌血症、 心内膜炎、 骨髄炎、 髄膜炎、 肺炎(院内肺炎,医療・介護関連肺炎)、 重症皮膚軟部組織感染では、 15-20μg/mLを推奨 [B-II]
  • ≧20μg/mLは腎毒性の発現が高率となる

初期投与設計

  • 早期に血中濃度を上げるため、 初回のみローディング25-30mg/kgを考慮 [C1-Ⅲ]
  • 腎機能正常の場合は、 1日15-20mg/kg12時間毎に投与することを推奨する [C1-Ⅲ]
  • レッドパーソン症候群を回避するために、 1gあたり1時間以上かけて投与する [B-II]
  • 1g以上の場合は、 500mgあたり30分以上を目安に延長して投与する [B-II]

特殊病態

  • 腎機能低下時: 1回量は15-20 mg/kgを目安として、 投与感覚を24時間またはそれ以上に延長して調整する [C1-Ⅲ]
  • 血液透析の場合でもローディングとして20-25 mg/kgの投与を推奨する [C1-Ⅲ]
  • 血液透析の場合、初回移行は透析日のみ通常料の半分(7.5-10 mg/kg)の投与を行う [C1-Ⅲ]

参考文献

  • 日本化学療法学会,他.抗菌薬TDMガイド ライン改訂版 第2版.2016
こちらの記事の監修医師
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聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

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