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VCM バンコマイシンのTDMについて【感染症専門医による抗菌薬まとめ】
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
3年前
VCM バンコマイシンのTDMについて【感染症専門医による抗菌薬まとめ】
ポイント
本来は、 AUC/MIC≧400が臨床および細菌学的効果の予測指標とされたが、実臨床では
ルーチンのAUC評価は推奨されない
[C2-III].
実臨床では、定常状態時の最低血中薬物濃度である
トラフ値がAUCの代替指標
[B-II].
TDMの方法は?
腎機能正常で1日2回投与の場合、定常状態に達していると考えられる
4-5回投与前30分以内 (3日目)
にTDMを行う [B-II]
=最低血中薬物濃度「トラフ値」
ルーチンでのピーク値測定は非推奨
[C2-III].
TDMの目標値は?
目標トラフ値は
10-20 μg/mL
[B-II]
菌血症、 心内膜炎、 骨髄炎、 髄膜炎、 肺炎(院内肺炎,医療・介護関連肺炎)、 重症皮膚軟部組織感染では、 15-20μg/mLを推奨 [B-II]
≧20μg/mLは腎毒性の発現が高率となる
初期投与設計
早期に血中濃度を上げるため、
初回のみローディング
で
25-30mg/kg
を考慮 [C1-Ⅲ]
腎機能正常の場合は、
1日15-20mg/kg
を
12時間毎
に投与することを推奨する [C1-Ⅲ]
レッドパーソン症候群
を回避するために、
1gあたり1時間以上かけて投与
する [B-II]
1g以上の場合は、
500mgあたり30分以上を目安に延長
して投与する [B-II]
特殊病態
腎機能低下時: 1回量は15-20 mg/kgを目安として、 投与感覚を24時間またはそれ以上に延長して調整する [C1-Ⅲ]
血液透析の場合でもローディングとして20-25 mg/kgの投与を推奨する [C1-Ⅲ]
血液透析の場合、初回移行は透析日のみ通常料の半分(7.5-10 mg/kg)の投与を行う [C1-Ⅲ]
参考文献
日本化学療法学会,他.抗菌薬TDMガイド ライン改訂版 第2版.2016
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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