海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Parkerらは、 前立腺癌の患者を対象に、 術後放射線療法に6ヵ月のアンドロゲン除去療法 (ADT) を追加することの効果を非盲検無作為化比較試験RADICALS-HDで検討した。 その結果、 放射線療法に6ヵ月のADTを追加しても無転移生存期間 (MFS) を改善しないことが明らかとなった。 本研究はLancetにおいて発表された。
LancetはInterpretationとして結果の解釈を記載していますが、 今回の研究結果の表現は弱めであり、 実臨床における適応は全てのRCTのメタアナリシスが必要ではというコメントを残されています。
中間および高リスクの限局性前立腺癌に対し、 放射線療法と術後補助療法として短期間のADTを実施するとMFSが改善するというエビデンスが示されている。 しかし、 前立腺全摘除術後の術後放射線療法とADT併用の有用性は不明である。
前立腺全摘除術後で放射線療法の適応がある前立腺癌患者 : 1,480例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
MFS
MFSイベント
HR 0.886 (95%CI 0.688-1.140、 p=0.35)
10年MFS率
Grade 3以上の有害事象の発現率
p=0.15
治療関連死
治療関連死は確認されなかった。
著者らは 「前立腺全摘除術後の前立腺床に対する放射線療法後に転移がみられることはまれであるが、 この放射線療法に6ヵ月のADTを追加しても、 ADTを行わない場合と比較してMFSは改善しないことが示された。 この結果は、 術後放射線療法に短期ADTを併用することを支持するものではない」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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