NEJM:再発・難治性DLBCL、CAR-T細胞療法のイエスカルタで無イベント生存期間6ヶ月改善
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海外ジャーナルクラブ

3年前

NEJM:再発・難治性DLBCL、CAR-T細胞療法のイエスカルタで無イベント生存期間6ヶ月改善

NEJM:再発・難治性DLBCL、CAR-T細胞療法のイエスカルタで無イベント生存期間6ヶ月改善
Locke FLらのグループは、 DLBCLの2次治療におけるCAR-T細胞療法アキシカブタゲン シロルユーセル (イエスカルタ®︎) の効果と副作用を国際無作為化第III相試験で検証した. 結果、 標準治療に比べ、 無イベント生存期間を有意に改善することが示された. 本研究はNEJM誌に掲載された.

研究デザイン (ZUMA-7試験)

  • 2018年1月~2019年10月の間に、世界77施設で実施された国際的無作為化第III相試験.
  • 対象は、 大細胞型B細胞リンパ腫と診断され、 1次治療で完全寛解が得られない、 または1次治療終了から12ヵ月以内に再発が確認された18歳以上の患者359例.
  • CAR-T細胞療法 axi-cel群と標準治療群に1:1で無作為に割り付けられた.
  • 主要評価項目は無イベント生存、 副次評価項目はは奏効および全生存で、 安全性の評価も行われた.

CAR-T細胞療法 axi-cel群

白血球アフェレーシスを受け、前処置としての化学療法 (シクロホスファミド+フルダラビン)後、 目標用量 (2×10⁶/kg) のCAR-T細胞療法 アキシカブタゲン シロルユーセル (イエスカルタ®︎) が単回注入された. 

標準治療群

プロトコールで定義された化学免疫療法のうち、 担当により選択されたレジメン治療を受け、 完全または部分寛解が得られた患者には、さらに大量化学療法と自家幹細胞移植が施行された.

研究結果

  • 359例が登録され、 axi-cel群に180例、 標準治療群に179例が割り付けられた.
  • 追跡期間中央値は24.9ヵ月だった.

無イベント生存

  • 無イベント生存期間中央値は、 axi-cel群 8.3ヵ月(95%CI:4.5~15.8)、 標準治療群 2.0ヵ月(1.6~2.8)であった.
  • 24ヵ月無イベント生存割合は、 axi-cel群 41%(33~48)、 標準治療群 16%(11~22)であった.
  • axi-cel群で有意に優れた (イベントまたは死亡のHR 0.40、 95%CI 0.31~0.51、p<0.001).

副次評価項目

  • 奏効割合は、 axi-cel群 83%、 標準治療群 50%であった.
  • 完全奏効は、 axi-cel群 65%、 標準治療群 32%であった.
  • 中間解析における全生存期間中央値は、 axi-cel群 未到達、 標準治療群 35.1ヵ月で有意差はなかった (p=0.054).
  • 推定2年全生存割合は、 axi-cel群 61%、 標準治療群 52%であった.
  • 無増悪生存期間中央値は、 axi-cel群 14.7ヵ月、 標準治療群 3.7ヵ月であった.
  • 24ヵ月無増悪生存割合は、 axi-cel群 46%、 標準治療群 27%であった.

有害事象

  • Grade3以上の有害事象の発現頻度は、 axi-cel群91%、 標準治療群83%であった.
  • axi-cel群のGrade3以上の有害事象は、サイトカイン放出症候群 6%、 神経学的イベント 21%であった.
  • 死亡例はなかった.

原著論文

Locke FL, et al. Axicabtagene Ciloleucel as Second-Line Therapy for Large B-Cell Lymphoma. N Engl J Med. 2022 Feb 17;386(7):640-654.

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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