米国医師、 年収8000万!でも、 実質収入は低下?
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19日前

米国医師、 年収8000万!でも、 実質収入は低下?

米国医師、 年収8000万!でも、 実質収入は低下?
こんにちは、Dr.Genjohです。新シリーズ 「米国医療のリアル」 では、 Doximityが公表した 「Physician Compensation Report  2025」 を読み解いていきます。 

はじめに

米国の医療制度や報酬体系は日本と大きく異なるため、 そのまま比較したり模倣したりすることはできません。 しかし、 他国の現状を知ることは、 自国の医療を客観的に見つめ直すきっかけになるはずです。

アメリカ医師の報酬は年々うなぎ上り!

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【図1】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

アメリカの医師の平均報酬は、 2022年から2023年にかけて+5.09%、 2023年から2024年にかけて+3.7%と、 上昇傾向が続いています¹⁾。

日本では2026年の診療報酬改定において、 全体で3.09%のプラス改定が実現。 大幅な引き上げとして注目を集めました。 しかしアメリカの医師報酬では、 それを上回るペースで増加しています【図1】。 特にオースティン、 カンザスシティー、 バッファローなどの一部都市では、 医師報酬が1年間で約10%上昇しており、 本当にうらやましい限りです。

日本よりも圧倒的に高い年収、 明確な地域差

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【図2】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

アメリカの医師報酬には地域格差があります。 【図2】を見ると、 報酬の高い地域が西海岸・カリフォルニア州に集中していることが分かります。 シリコンバレーを擁する同州は全米有数の高所得地域であり、 高い医師報酬も納得できる結果といえるでしょう。

しかし、 ランキングの首位はカリフォルニア州ではなく、 ミネソタ州ロチェスターでした。 住民の所得水準の高さに加え、 高度専門医療や富裕層向けのコンシェルジュ医療などが、 その背景にあるのかもしれません。

それ以上に驚くべきは、 アメリカの医師の平均報酬額の絶対値です。 トップのミネソタ州ロチェスターでは医師の平均報酬が49万5,532ドルに達し、 1ドル=160円で換算すると約7,929万円となります。

一方、 驚くべきは最下位のノースカロライナ州ダーラム・チャペルヒルでも35万8,782ドルで、 日本円では約5,741万円に上ります。 もちろん、 これは個々の医師の最低年収を意味するものではなく、 あくまで都市別平均報酬の比較です。 それでも、 日本の医師報酬との差は際立っています。

ちなみに、 我らが日本の医師の平均年収は1338万円です……²⁾。

「年収が高い=裕福」 ではない

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【図3】Physician Compensation Report 2025を基にHOKUTO編集部作成

ただし、 都市別の報酬額ランキングで上位だからといって、 生活費を考慮した実質給与ランキングでも上位になるとは限りません。 カリフォルニア州はその代表例です。 ここでは、 実質給与ランキング上位・下位の代表的な4都市を見てみましょう。

①ミネソタ州ロチェスター (実質給与1位)

報酬額が非常に高いことが特徴。 生活費の影響を受けてもなお首位を維持しており、 「超高収入・高出費」 型の代表例といえる。 日本でいえば、 保健医療業界の権威、 あるいは成功した美容外科医?

②オクラホマ州オクラホマシティ (実質給与3位)

報酬額ランキングには入っていなかったものの、 生活費が安いため相対的に手残りが発生しやすく、 逆転ランクインに成功。 「標準的な収入・低出費」 型。 北米大陸中央に多い。 日本でいえば、 僻地で成功した開業医や、 良好な条件で雇用を確保できた僻地の勤務医?

③カリフォルニア州サンフランシスコ (実質給与ワースト5位)

報酬額ランクインを達成した一方、 生活費が高すぎて実質給与ランキングではワーストに転落。 「高収入・超高出費」 型。 カリフォルニア州はほぼこのパターン。 日本でいえば、 港区のキラキラドクター?

④ワシントンDC (実質給与ワースト2位)

報酬額が相対的に低いうえに、 首都のため生活費も高い。 実質給与ランキングではさらに順位を下げ、 ワースト2位に。 「低収入・高出費」 型の代表例。 カリフォルニア州を除く東海岸と、 西海岸の都市群に多い。 日本でいう東京の大学病院勤務医?

爆発的インフレと、 追従しない保険支払い

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写真はイメージです

アメリカでは、 なぜこれほど大きな地域差が生じるのでしょうか?もちろん、 アメリカならではの高価な自由診療による収入源の存在も一因でしょうが......。

アメリカでは2021年に+7%、 2022年に+6.5%と極めて高いインフレ率を記録しました。 しかし、 メディケア (65歳以上や障害者を対象とする公的医療保険) における医師への支払額は十分にインフレへ追随できておらず、 インフレ調整後の医師支払額は、 2001年と比べて33%低下したと報告されています。

爆発的インフレと、 伸び悩む診療報酬。 この構図は、 近年の日本にも重なって見えます。 アメリカで見られる地域間格差の拡大や自由診療へのシフトは、 日本の医療経済が今後向かう方向性の一つなのかもしれません。

しかも、 日本の医師報酬はアメリカと比べて絶対額が圧倒的に低く、 状況はより深刻です。 今後の人生設計をよく考えなければなりませんね…。

出典

¹⁾doximity:Physician Compensation Report 2025

²⁾厚生労働省:賃金構造基本統計調査 2024年度版

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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