海外ジャーナルクラブ
15日前
Linらは、 50歳以上の関節リウマチ患者における組換え帯状疱疹ワクチン (RZV) の、 帯状疱疹発症率および全死亡率に対する有効性を後ろ向きコホート研究にて検討した。 その結果、 RZV接種群では、 帯状疱疹リスクおよび全死亡率の有意な低下を認めたことから、 接種対象となる関節リウマチ患者ではワクチン接種を優先すべきと結論付けた。 試験結果はEClinicalMedicine誌に発表された。
本後ろ向き解析は、 50歳以上の関節リウマチ患者に対する帯状疱疹ワクチン接種の有用性を支持する実臨床データを提供するものです。 今後は、 接種率向上を目的とした具体的かつ戦略的な介入の必要性が示唆されます。
関節リウマチ患者では、 帯状疱疹の発症リスクが高い。 本研究では、 関節リウマチ患者における組換え帯状疱疹ワクチン (RZV) の、 帯状疱疹発症率および全死亡率に対する有効性を検討した。
診療情報データベースであるTriNetX米国共同ネットワークの2017年10月1日~24年3月31日のデータを用いて、 後ろ向きコホート研究を実施した。 RZVを接種した関節リウマチ患者 (RA-RZVコホート) と未接種の患者 (RA対照コホート) を対象に、 主要評価項目として帯状疱疹のリスクと全死亡率を評価した。
各コホートには2万1,046例が含まれた。
RZV接種群では、 帯状疱疹リスクおよび全死亡率が有意に低かった。
なお、 帯状疱疹リスクの低下は、 以下のグループでより顕著であった。
著者らは、 「RZV接種は、 50歳以上の関節リウマチ患者の帯状疱疹リスクを低下させた。 全死亡率の低下については、 帯状疱疹予防以外の要因による可能性もあり慎重な解釈が必要であるが、 RZVの確立された有効性と死亡率低下の可能性を踏まえ、 接種対象となる関節リウマチ患者ではワクチン接種を優先すべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。