海外ジャーナルクラブ
1年前
Koらは、 重症円形脱毛症患者を対象に、 バリシチニブの有効性を検討した多施設共同第Ⅲ相ランダム化比較試験BRAVE-AA1・BRAVE-AA2のプール解析を実施。 その結果、 バリシチニブ2mgの非奏効例に対し、 4mgへ増量することで、 頭皮、 眉毛、 まつ毛の脱毛について、 奏効率の有意な改善が認められた。 本研究はJAMA Dermatol誌において発表された。
重症円形脱毛症対しては、 バリシチニブ4mgに増量して臨床効果が得られていますが、 まだまだ完全とは言えず投与量、 タイミングなどの研究成果が待たれます。
バリシチニブは経口のJAK阻害薬であり、 重症円形脱毛症患者の頭皮、 眉毛、 まつ毛の発毛において臨床的に意義のある結果が得られている。
重症円形脱毛症の成人患者:1,200例
ベースライン時に Severity of Alopecia Tool (SALT) スコアが50以上
患者を以下の群に3:2:2の割合で無作為に割り付け。
バリシチニブ4mg群
バリシチニブ2mg群
プラセボ群
バリシチニブ2mg群のうち、 52週時点でSALTスコア20超の全例を非奏効例とし、 バリシチニブ4mgに増量した後、 76週時まで解析した。
76週時点でのSALTスコア20以下を達成した患者の割合
臨床医が評価した眉毛・睫毛のClinician Reported Outcome (ClinRO) スコアが、 ベースラインから2ポイント以上改善し、 0または1 (完全な被覆または最小限の隙間) を達成した患者の割合
バリシチニブ2mgを投与された340例中212例 (62.4%) がSALTスコア20超であり、 バリシチニブ4mgに増量された。
増量した患者の67.0% (212例中142例) は、 ベースラインのSALTスコアが95~100であり、 非常に重度の円形脱毛症であった。
増量後の76週時点で、 25.9% (212例中55例) がSALTスコア20以下を達成した。
眉毛:19.3% (161例中31例) ⇒37.9% (161例中61例)
まつ毛:24.1% (137例中33例) ⇒40.9% (137例中56例)
BRAVE-AA1試験およびBRAVE-AA2試験のプール解析では、 2mg用量で反応しなかった患者におけるバリシチニブ2mgからバリシチニブ4mgへの増量により、 頭皮、 眉毛、 およびまつ毛の脱毛について、 奏効率の有意な改善が認められた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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