【JAMA Dermatol】重症円形脱毛症、バリシチニブ増量で非奏効例にも効果
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1年前

【JAMA Dermatol】重症円形脱毛症、バリシチニブ増量で非奏効例にも効果

【JAMA Dermatol】重症円形脱毛症、バリシチニブ増量で非奏効例にも効果
Koらは、 重症円形脱毛症患者を対象に、 バリシチニブの有効性を検討した多施設共同第Ⅲ相ランダム化比較試験BRAVE-AA1・BRAVE-AA2のプール解析を実施。 その結果、 バリシチニブ2mgの非奏効例に対し、 4mgへ増量することで、 頭皮、 眉毛、 まつ毛の脱毛について、 奏効率の有意な改善が認められた。 本研究はJAMA Dermatol誌において発表された。 

📘原著論文

Clinical Outcomes for Uptitration of Baricitinib Therapy in Patients With Severe Alopecia Areata: A Pooled Analysis of the BRAVE-AA1 and BRAVE-AA2 Trials. JAMA Dermatol. 2023 Aug 9;e232581. PMID: 37556146

👨‍⚕️監修医師のコメント

重症円形脱毛症対しては、 バリシチニブ4mgに増量して臨床効果が得られていますが、 まだまだ完全とは言えず投与量、 タイミングなどの研究成果が待たれます。

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バリシチニブ

背景

バリシチニブは経口のJAK阻害薬であり、 重症円形脱毛症患者の頭皮、 眉毛、 まつ毛の発毛において臨床的に意義のある結果が得られている。

研究デザイン

対象

重症円形脱毛症の成人患者:1,200例

ベースライン時に Severity of Alopecia Tool (SALT) スコアが50以上

介入

患者を以下の群に3:2:2の割合で無作為に割り付け。

バリシチニブ4mg群

バリシチニブ2mg群

プラセボ群

バリシチニブ2mg群のうち、 52週時点でSALTスコア20超の全例を非奏効例とし、 バリシチニブ4mgに増量した後、 76週時まで解析した。

主要評価項目

76週時点でのSALTスコア20以下を達成した患者の割合

臨床医が評価した眉毛・睫毛のClinician Reported Outcome (ClinRO) スコアが、 ベースラインから2ポイント以上改善し、 0または1 (完全な被覆または最小限の隙間) を達成した患者の割合

研究結果

解析対象

バリシチニブ2mgを投与された340例中212例 (62.4%) がSALTスコア20超であり、 バリシチニブ4mgに増量された。

増量した患者の67.0% (212例中142例) は、 ベースラインのSALTスコアが95~100であり、 非常に重度の円形脱毛症であった。

SALTスコア20以下の達成

増量後の76週時点で、 25.9% (212例中55例) がSALTスコア20以下を達成した。

ClinROスコア 0~1を達成した患者の割合

眉毛:19.3% (161例中31例) ⇒37.9% (161例中61例)

まつ毛:24.1% (137例中33例) ⇒40.9% (137例中56例)

結論

BRAVE-AA1試験およびBRAVE-AA2試験のプール解析では、 2mg用量で反応しなかった患者におけるバリシチニブ2mgからバリシチニブ4mgへの増量により、 頭皮、 眉毛、 およびまつ毛の脱毛について、 奏効率の有意な改善が認められた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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