日本癌治療学会
20日前

JSCO×HOKUTO特別企画 「若手から見た学術集会」 座談会の後編です。 若手医師の伊藤美郷先生 (福島県立医科大学 消化管外科学講座、 医師13年目) と、 第64回日本癌治療学会学術集会の会長を務める河野浩二先生 (同講座 主任教授) に、 日本癌治療学会学術集会ならではの魅力や初めての発表、 学術活動とキャリアのつながり、 若手医師へのメッセージを伺いました。 聞き手はHOKUTO編集部の清水真人 (コンテンツ事業責任者/聖路加国際病院 医師) です。
>>座談会の前編はこちら
HOKUTO清水 HOKUTOの研修医アンケートでは、 JSCOについて「名前は知っているが、 内容はこれから知りたい」という若手医師が多いことがわかっています。 伊藤先生が実感されている、 この学会ならではの魅力はどのような点でしょうか。
伊藤先生 まず、 参加者が非常に多いことです。 これほど多くの診療科が一堂に会する学会は、 そう多くありません。 セッションの幅も広く、 専門領域を超えて新たな知見に出会える点が、 癌治療学会ならではの魅力だと感じています。
私は外科系の学会に参加する機会が多かったのですが、 どうしても男性の参加者が多く、 少し居づらさを感じることもありました。 その点、 癌治療学会は多職種の方が参加されており、 女性医師や女性スタッフも多く、 とても居心地がよく、 優しい学会だと感じています。
また、 多職種による最先端の取り組みを学べる絶好の機会でもあります。 医療機器やケア用品のブースでは、 普段なかなか目にしない機器に出会えることもあり、 とても興味深いです。 ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。
HOKUTO清水 "優しい学会"という言葉は、 これから参加する先生方にとって心強いですね。 いまでこそ何度も登壇されている伊藤先生ですが、 ご自身の「初めての発表」はどのような経験でしたか。
伊藤先生 かなり若い頃のことで、 上司から「発表の機会はとても大事だよ」と言われたことがきっかけでした。 自分から積極的に希望したというより、 いわば受動的に始めたものでしたが、 得られるものは大きいと感じています
発表準備は、 日々の診療でのプレゼンテーションにもつながります。 また、 人前で自分の頭で考えながら話す経験は、 学会だけでなく日常診療にも生きてきます。 自分自身の成長につながる、 非常に貴重な機会だと思います。

HOKUTO清水 「発表が日常診療に生きる」 というのは実感がこもっていますね。 河野先生ご自身は、 若手の頃に学会でどんな刺激を受けましたか。 転機になった経験があれば。
河野先生 いまは臓器別や、 外科・ロボット手術といったくくりで参加することが多いと思います。 JSCOは 「がん」 という大きなくくりで多職種・多科が入るのが特徴です。 免疫治療という一つのテーマに、 肺がんの人も胃がんの人も入ってくる。 自分の領域では気づかないヒントを、 私自身数多くいただきました。
婦人科のロボットと呼吸器外科のロボットを同じセッションに組むといった工夫もしていて、 そこから手技も学べます。 若手が登竜門的に発表できる雰囲気があるのも大きな特徴で、 実は伊藤先生も学位の研究で優秀演題賞を受賞しています。 受賞はモチベーションにつながりますし、 多くの若手に門戸を開いた学会です。
HOKUTO清水 いま 「優秀演題賞」 という言葉が出ました。 若手にとっては憧れの賞ですが、 どんな仕組みなのでしょう。
河野先生 査読段階の点数をもとに上位から選ばれるのがプレナリーセッションで、 15演題ほどが選ばれます。 同様に、 年齢制限 (40歳以下) を設けたYoung Oncologist Awardも用意しています。 今回も査読が進んでおり、 多くの方にチャンスがあるよう枠を考えながら選定しているところです。
HOKUTO清水 若手にも、 しっかりチャンスが開かれているのですね。 ポスター発表から現在に至るまで、 学術活動はお二人のキャリアにどのように生きてきましたか。 まずは伊藤先生からお願いします。
伊藤先生 私もかなり若手の頃から参加し、 最初は小さな会場でのポスター発表から始めました。 癌治療学会には、 大きな主題演題から小規模なポスター発表まで、 さまざまなセッションがあります。 まずはポスター発表で質疑応答の経験を積み、 その後、 一般演題、 上級演題へとステップアップしていく中で、 自分自身の成長を実感できました。

特に印象に残っているのは、 併催された国際学会AOSでの発表です。 国際学会での発表は初めてで、 英語が得意だったわけでもなく、 正直に言えば 「嫌だな」 と思いながら臨みました。 それでも、 無事に終えたときは非常に清々しく、 「これ以上緊張する場面は、 今後そう多くないだろう」 と思えるほどで、 大きな自信につながりました。
初めての経験を積む場として、 本当に貴重な学会だと思います。 私自身、 この学会とともに成長させていただいたと感じており、 とても感謝しています。
HOKUTO清水 国内にいながら国際学会デビューもできるというのは、 若手にとって大きな機会ですね。 河野先生はいかがですか。
河野先生 私も最初は、 一般演題への応募からでした。 癌治療学会は 「主題演題」 (上級演題) のハードルも、 他学会に比べるとやや低く、 比較的若い頃から挑戦の機会があります。 実際に選ばれて発表できたことは、 大きなモチベーションになりました。
発表を通じて打ちのめされたり、 恥ずかしい思いをしたりすることもたくさんありましたが、 それがまた翌年に向けた力になります。 他分野の先生方の切り口は、 自分たちとはまったく異なります。 そうした視点に触れることが、 次の臨床や研究のステップにつながっていきました。 私自身も、 医師10年目、 あるいは12~13年目の頃に優秀演題賞をいただき、 教室で祝ってもらったことをよく覚えています。
やがて名前を知っていただけるようになり、 臓器別の学会や外科系の学会でも主題演題に選ばれるようになっていきました。 最初のキャリアを積むうえで、 若手にとって挑戦しやすい学会の一つだと思います。
HOKUTO清水 お二人とも、 この学会とともに歩んでこられたのですね。 最後に、 これから学会に参加しようとしている若手の先生方へ、 ひと言ずつメッセージをお願いします。 まずは伊藤先生からお願いします。
伊藤先生 特に医師5~6年目の先生方は、 コロナ禍以降に医師になられた世代で、 オンライン参加やアーカイブ視聴が当たり前になっているかもしれません。 もちろん便利で効率的ではありますが、 一歩踏み出して現地で学ぶことで、 さまざまな出会いや刺激が得られます。
学会は 「お祭り」 のような場でもあります。 ぜひ楽しみながら、 たくさん学んでください。 会場でお会いできるのを楽しみにしています。
河野先生 若い先生方の中には、 学会活動に少し距離を感じている方もいるかもしれません。 しかし、 現地参加でもオンデマンド視聴でも、 学会には、 そこでしか得られない知識や経験、 そして多くの仲間との出会いがあります。 教科書や論文だけでは得られない学びがありますので、 食わず嫌いをせず、 ぜひ参加していただきたいと思います。
第64回では、 さまざまな工夫を凝らし、 福島らしさも少し感じていただけるよう準備を進めています。 参加して損はない、 きっと満足していただける学会にしたいと考えています。 ぜひご参加ください。


第64回日本癌治療学会学術集会は、 2026年10月22~24日、 神戸コンベンションセンターで開催されます。 学術集会はもちろん、 JSCOの活動そのものにもぜひ関心を寄せていただければと思います。
名称
第64回日本癌治療学会学術集会
同時開催 : the 6th International Congress of the Asian Oncology Society (AOS2026)
会期
2026年10月22日 (木) ~ 24日 (土)
テーマ
One team to Conquer Cancer
会長
河野 浩二
(福島県立医科大学消化管外科学講座 主任教授)
会場
神戸コンベンションセンター (神戸国際会議場、 神戸国際展示場、 神戸ポートピアホテル)
>> 公式サイトはこちら

日本癌治療学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認ください。

以下のような学会入会特典がございます。
①学術集会での研究発表
本学会学術集会に演題の応募ができ研究成果を発表することができます。
②学術集会への参加
会員は学術集会へは会員価格で参加することができます。
③機関誌の無料閲覧
IJCOおよびICCJの全文を無料で閲覧可能です。
④会員限定の情報提供
会員専用ページ 「myがんち」に登録したメールアドレスにお送りするメルマガを通じてがん治療についての最新情報が得られます。 また、 会員専用ページ 「myがんち」にてオンライン版会員名簿サービスで会員の検索ができます。
⑤学会提携クレジットカードの発行
このカードを利用することにより、 本学会年会費をカード決済口座から、 手数料無料で引き落とすことができます。
⑥ネットワークの構築
国内外の専門家との交流を深め、 臨床や研究の発展につなげる機会を提供いたします。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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