【JAMA Oncol】初回寛解後の中リスクAML、同種HCTと地固め療法の2年後生存率に差なし
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2年前

【JAMA Oncol】初回寛解後の中リスクAML、同種HCTと地固め療法の2年後生存率に差なし

【JAMA Oncol】初回寛解後の中リスクAML、同種HCTと地固め療法の2年後生存率に差なし
Bornhäuserらは、 初回完全寛解 (CR) を得た18~60歳の中リスク急性骨髄性白血病 (AML) 患者を対象に、 初回CR後の至適治療を非盲検2群間第Ⅲ相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 初回CRを得た中リスクAML患者における同種造血細胞移植 (HCT) は、 地固め療法と比較して2年後の全生存期間(OS)に差はなかった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Allogeneic Hematopoietic Cell Transplantation vs Standard Consolidation Chemotherapy in Patients With Intermediate-Risk Acute Myeloid Leukemia: A Randomized Clinical Trial.JAMA Oncol. 2023 Feb 9;e227605. doi: 10.1001/jamaoncol.2022.7605.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

JAMA名物のKey PointsのMeaningには、 中リスクAML患者における同種造血細胞移植 (HCT) は最初の再発までの期間を延ばすかもしれないし、 患者はそれに応じてカウンセリングを受けることができる、 と本文の結論とは違う感じで記載されています。 研究結果の解釈、 また結果の実臨床応用、 という点は本当に難しいと思います。


背景

初回CRを得た中リスクAMLにおける理想的な寛解後戦略は、 これまで議論の的となってきた。

研究デザイン

対象

中リスクAMLで導入療法後に初回CRまたは血球数回復が不完全なCRを得ており、 兄弟または非血縁ドナーが利用可能である18~60歳の患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。

  • 同種HCT群
  • 地固め療法群:大量シタラビンによる地固め療法
再発時のみサルベージHCTを実施

主要評価項目

OS

副次評価項目

無病生存期間 (DFS)、 累積再発率、 治療関連死亡率、 MOS 36-Item Short-Form Health Surveyに基づくQOLの評価。

研究結果

2年後の生存確率 (P=0.22)

  • 同種HCT:74% (95%CI 62-83%)
  • 地固め療法:84% (95%CI 73-92%)

2年後のDFS (P=0.001)

  • 同種HCT:69% (95%CI 57-80%)
  • 地固め療法:40% (95%CI 28-53%)

2年後の累積再発率 (P <0.001)

  • 同種HCT:20% (95%CI 13-31%)
  • 地固め療法:58% (95%CI 47-71%)

2年間の非再発死亡率 (P=0.005)

  • 同種HCT:9% (95%CI 5-19%)
  • 地固め療法:2% (95%CI 0-11%)

ELN分類による中リスクの患者の分析

ELN分類による中リスクの患者96例に限定して分析した場合も、 同様の結果が観察された。

地固め療法後の同種HCTへの移行

地固め療法後に再発した41例の患者全例 (血液学的36例、 分子生物学的4例、 髄外1例) が同種HCTに移行した。

健康関連QOL

健康関連QOLに群間で有意差はなかった。

結論

初回CRを得た中リスクAML患者において、 同種HCTは地固め療法と比較して2年後のOSに差はなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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