HOKUTO編集部
5ヶ月前

標準治療後に増悪した高頻度マイクロサテライト不安定性 (MSI-H) またはミスマッチ修復機構欠損 (dMMR) でない転移性大腸癌 (mCRC) を対象に、 第3世代チロシンキナーゼ阻害薬zanzalintinib+抗PD-L1抗体アテゾリズマブの有効性および安全性を、 マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ単剤療法を対照に評価した第III相無作為化比較試験STELLAR-303の結果から、 OSが有意に改善した。 米・University of Pittsburgh Medical CenterのAnwaar Saeed氏が発表した。 同詳細はLancet. 2025年10月20日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
MSI-HまたはdMMR以外のmCRC患者に対する治療では、 OSの改善が課題だった。 zanzalintinibは、 TAMキナーゼ、 MET、 VEGF受容体などを阻害する新規低分子阻害薬で、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) への感受性向上が期待される。 第I相STELLAR-001試験²⁾では、 zanzalintinib+アテゾリズマブ併用療法がzanzalintinib単剤よりも高い抗腫瘍効果と良好な忍容性を示した。
対象は、 標準治療後*に病勢進行または不応・不耐となった、 MSI-H・dMMRではないmCRC患者だった。
901例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
本試験は二重主要評価項目が設定され、 ITT集団における全生存期間 (OS) と、 肝転移のない患者 (nImITT) 集団におけるOSの2つだった。
データカットオフ時点 (2025年4月30日) における追跡期間中央値は18.0ヵ月 (範囲 0.2-29.0ヵ月) だった。 ITT集団の患者背景は、 両群で概ねバランスが取れていた。 肝転移ありは、 zanzalintinib併用群が59%、 レゴラフェニブ群が56%で、 抗VEGF抗体既治療はそれぞれ80%、 83%、 抗EGFR抗体既治療は41%、 42%だった。
ITT集団のOS中央値は、 zanzalintinib併用群が10.9ヵ月であり、 レゴラフェニブ群の9.4ヵ月に比べて有意な延長を認めた (HR 0.80 [95%CI 0.69-0.93]、 p=0.0045)。 12ヵ月OS率はそれぞれ46%/38%、 24ヵ月OS率は20%/10%だった。
OSサブグループ解析では、 肝転移の有無、 RAS遺伝子 (野生型/変異型)、 抗VEGF抗体の使用有無などそのほとんどで、 zanzalintinib併用群のレゴラフェニブ群に対する優位性が一貫して認められた。
nlmITT集団のOS中央値は、 zanzalintinib併用群が15.9ヵ月、 レゴラフェニブ群が12.7ヵ月と、 有意差は認められないものの併用群で良好な傾向だった (HR 0.79 [同 0.61-1.03]、 p=0.087)。
ITT集団におけるPFS中央値は、 zanzalintinib併用群が3.7ヵ月、 レゴラフェニブ群が2.0ヵ月だった (HR 0.68 [95%CI 0.59-0.79])。 奏効率 (ORR) はそれぞれ4%、 1%で、 病勢コントロール率は54%、 41%だった。
Grade3以上の治療関連有害事象 (TRAE) は、 zanzalintinib併用群の60%、 レゴラフェニブ群の37%で報告された。 全ての治療の中止に至った有害事象は、 zanzalintinib併用群で18%、 レゴラフェニブ群で15%に認められた。
Saeed氏は 「zanzalintinib+アテゾリズマブ併用療法は、 MSI-HまたはdMMRを有さない既治療のmCRC患者に対する新たな化学療法不要の治療選択肢となる可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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