【LEAP-012】中間期肝細胞癌へのレンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACEでPFS改善
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HOKUTO編集部

1ヶ月前

【LEAP-012】中間期肝細胞癌へのレンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACEでPFS改善

【LEAP-012】中間期肝細胞癌へのレンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACEでPFS改善
intemediate stage (中間期) の肝細胞癌 (HCC) に対するマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ+抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+TACE併用療法の有効性についてプラセボ+TACEを対照に検証した第Ⅲ相多施設共同二重盲検無作為化比較試験LEAP-012の結果より、 PFSが有意に改善した。 米・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのJosep Llovet氏が発表した。

背景

標準治療へのICI+分子標的薬併用の有効性を検証

肝動脈化学塞栓術(TACE)は中間期HCCへの標準治療である。 第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験LEAP-002では、 進行HCCの1次治療において、 レンバチニブ+ペムブロリズマブはレンバチニブ+プラセボと比較し、 全生存期間 (OS) を有意に改善した¹⁾。

LEAP-012試験では、 中間期HCCにおけるレンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACE併用療法の有効性および安全性を評価した。 今回は中間解析結果が報告された。

試験の概要

対象は治癒治療が不可能なHCC

治癒治療が受けられず、 1~2回のTACEで全ての部位が治療可能である、 門脈血栓症と肝外病変がないChild-Pugh AのHCC480例を対象とした。

患者は以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • 併用療法群 : 237例
レンバチニブ12mg(体重≧60kg)または8mg(体重<60kg)を1日1回+ペムブロリズマブ400mgを6週毎に最長2年+TACE
  • TACE単独群 : 243例
プラセボ+TACE

主要評価項目はPFSとOS

主要評価項目は盲検下独立中央審査 (BICR) によるRECISTv1.1に基づく無増悪生存期間 (PFS) とOSだった。

副次的評価項目にはBICRによるRECISTv1.1およびmRECISTに基づく客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DOR)、 病勢コントロール率 (DCR)、 増悪までの期間 (TTP)、 BICRによるmRECISTに基づくPFS、 安全性が含まれた。

試験の結果

患者背景は両群で概ね一致

併用療法群 / TACE単独群の年齢中央値は65.0歳 / 66.0歳、 アジア人は57.0% / 56.4%、 Child-Pugh Aは86.1% / 89.3%だった。

mPFS 14.6ヵ月、 増悪リスクを34%低減

無作為化からの期間中央値25.6ヵ月(範囲12.6-43.5ヵ月) におけるPFS中央値は、 併用療法群が14.6ヵ月 (95%CI 12.6-16.7ヵ月)、 TACE単独群が10.0ヵ月(同 8.1-12.2ヵ月)で、HR 0.66 (同 0.51-0.84)、 p=0.0002と閾値の0.025を下回ったことから、 併用療法群のTACE単独群に対する優越性が認められた。

12ヵ月PFS率は併用療法群が62.2% / TACE単独群が43.4%、 18ヵ月PFS率は39.1% / 27.9%だった。

またサブグループ解析の結果、 事前に規定されたサブグループにおいて、 併用療法群のTACE単独群に対する優位性が概ね一貫して認められた。

OSは未到達も改善傾向

OSデータはimmatureであり、 今回の中間解析の時点では統計学的に有意な基準に達していなかったものの、 12ヵ月OS率は併用療法群で89.0% / TACE単独群で83.1%、 24ヵ月OS率は74.6% / 68.6%と、 OSにおいても併用療法群で改善傾向が示された (HR 0.80 [95%CI 0.57-1.11]、 p=0.0867)。

OSサブグループ解析でも、 事前に規定されたサブグループにおいて、併用療法群のTACE単独群に対する優位性が概ね一貫して認められた。

【OSイベント数】
併用療法群 : 69件(29.1%)
TACE単独群 : 82件(33.7%)

奏効率も併用群で良好な成績

RECISTv1.1に基づく併用療法群 / TACE単独群のORRは46.8% (95%CI 40.3-53.4%) / 33.3% (同 27.4-39.6%) だった (p=0.0005)。

DOR中央値は12.6ヵ月 / 10.7ヵ月、 DCRは89.5% / 81.5%だった。

一方、 mRECISTに基づくORRはそれぞれ71.3%(95%CI 65.1-77.0%) / 49.8% (同 43.3-56.3%) だった (p<0.0001)。

DOR中央値は14.6ヵ月 / 12.5ヵ月、 DCRは90.3% / 81.1%だった。

安全性は管理可能

Grade3~4の治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は、 併用療法群が71.3% / TACE単独群が31.1%だった。 重篤なTRAE発現率は33.3% / 12.4%で、 治療中断に至ったTRAE発現率は8.4% / 1.2%だった。

結論

レンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACEが新たな治療選択肢に

Llovet氏は 「中間期のHCCに対するレンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACE併用療法は、 TACE単独療法と比較してPFSを有意に改善した。 OSも早期に改善傾向を示し、 今後の解析結果が期待される。 安全性は、 各薬剤の既知のプロファイルと一致していた。 レンバチニブ+ペムブロリズマブ+TACE併用療法は、 中等症HCCに対する新たな選択肢となる可能性がある」 と報告した。

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出典

¹⁾ Lancet Oncol. 2024 Apr;25(4):e137.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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