海外ジャーナルクラブ
18日前

Schrappeらは、 新規診断の高リスクB細胞性急性リンパ性白血病 (B-ALL) の小児患者を対象に、 地固め療法後の強力な化学療法2サイクルを抗CD19二重特異性T細胞誘導抗体ブリナツモマブに置き換える治療戦略を無作為化比較試験AIEOP-BFM ALL 2017で検討。 その結果、 4年無イベント生存 (EFS) 率はブリナツモマブ群83.0%、 対照群70.3%とブリナツモマブ群で有意に良好だった (HR 0.51, 95%CI 0.35-0.73, p=0.0002)。 一方、 神経毒性事象はブリナツモマブ群で多かった。 試験結果はNEJM誌に発表された。
神経毒性の機序は明確ではありませんが、 末梢免疫反応の過剰活性化や血管内皮炎症による血液脳関門の機能障害が関与する可能性があり、 痙攣などは予防薬により抑制できる可能性があります。
📖【AIEOP-BFM ALL 2017】小児高リスクB-ALL、 ブリナツモマブでEFS改善
📖【解説】B-ALLにおけるブリナツモマブ 「推奨場面はどこまで拡大?」
ブリナツモマブはB細胞上のCD19抗原を標的とする二重特異性T細胞誘導抗体である。 新規診断の小児高リスクB-ALLにおいて、 従来の化学療法を安全に置き換える選択肢となり得るかどうかを検討した。
対象は新規診断の高リスクB-ALLの小児患者。 適格例768例のうち709例 (92.3%) が、 地固め療法後に1:1の割合で以下の2群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 イベント発生までの時間として解析した無イベント生存期間 (EFS)*であり、 主要目的は4年EFS率がブリナツモマブ群で対照群より10%㌽高いかを評価することであった。
追跡期間中央値2.9年時点の事前計画された中間解析において、 推定4年EFS率はブリナツモマブ群83.0% (95%CI 77.4-87.4%)、 対照群70.3% (95%CI 63.8-75.9%) と、 ブリナツモマブ群で有意に高かった (ITT解析でp=0.0002)。
主要評価項目のイベントに関するハザード比は、 Coxモデルによる解析で0.51 (95%CI 0.35-0.73) であった。
治療関連感染症はブリナツモマブ群23.9%、 対照群69.4% (p<0.001) と、 ブリナツモマブ群で少なかった。 生命を脅かす有害事象はブリナツモマブ群で2例 (0.5%) に発生し、 うち1例は致死的であった。 対照群では16例 (4.7%) に発生した。
一方、 神経毒性事象は12.0% vs 3.2% (p<0.001) とブリナツモマブ群で多く報告された。 Grade 2以上のサイトカイン放出症候群 (CRS) はブリナツモマブ群の1.1%に認められた。
著者らは 「新規診断の小児高リスクB-ALLにおいて、 極めて毒性の強い従来の化学療法2サイクルをブリナツモマブに置き換えることにより、 4年EFS率が有意に改善した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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