海外ジャーナルクラブ
1年前
Tuttleらは、 中等症から重症の関節リウマチ (RA) の成人患者を対象に、 ヒト化IgG1モノクローナル抗体peresolimabの有効性を第Ⅱa相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 RA患者に対するperesolimab投与が有効性を示し、 PD-1受容体の刺激が関節リウマチの治療において潜在的な有効性を有することを示唆された。 本研究はNEJM誌において発表された。
Grant supportとかではなく、 著者全員の所属がEli Lillyとのことで新しい時代に入ったと言えます。 誰が見ても効果のある医薬品を開発しそれを臨床研究で確かめてマーケットに展開していくこと、 これはもう王道と言えると思います。
peresolimabは、 内因性PD-1阻害経路を刺激するように設計されたヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、 自己免疫疾患や自己炎症性疾患の治療に対する新たなアプローチとなる可能性がある。
従来の合成疾患修飾性抗リウマチ薬 (DMARDs) または生物学的製剤もしくは標的合成DMARDsで効果不十分もしくは効果消失、 許容できない副作用があった中等症~重症RAの成人患者
患者を以下の群に2:1:1の割合で割り付け。
DAS28-CRPのベースラインから12週時点までの変化量
12週時点にACR20、 ACR50、 ACR70の改善を示した患者の割合
2週目のDAS28-CRPのベースラインからの変化量は、 ペレゾリマブ700mg群がプラセボ群より有意に大きかった。
ACR20に関してはプラセボよりもperesolimab 700mg群が有利であったが、 ACR50およびACR70反応に関してはそうではなかった。
有害事象は、 peresolimab群とプラセボ群で同様であった。
peresolimabは、 RA患者を対象とした第Ⅱa相試験において有効性を示した。 これらの結果は、 PD-1受容体の刺激がRAの治療において潜在的な有効性を有することを示す証拠となる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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