【NEJM】代謝性アシドーシス合併ショック、 重炭酸Na投与は腎転帰を改善せず
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海外ジャーナルクラブ

5日前

【NEJM】代謝性アシドーシス合併ショック、 重炭酸Na投与は腎転帰を改善せず

【NEJM】代謝性アシドーシス合併ショック、 重炭酸Na投与は腎転帰を改善せず
Serpa Netoらは、 代謝性アシドーシスを有し血管収縮薬を要する重症患者に対する重炭酸ナトリウム (Na) 投与の有用性について、 二重盲検無作為化比較試験 (SODa-BIC) で検討した。 その結果、 主要評価項目である30日以内の主要有害腎イベントの発生率は、 重炭酸Na群で40.2%、 プラセボ群で39.4%であり、 両群間に有意差は認められなかった。 試験結果はNEJM誌に発表された。

📘原著論文

Sodium Bicarbonate for Critically Ill Adults with Metabolic Acidosis and Shock. N Engl J Med. 2026 Jun 12. Online ahead of print. PMID: 42283370

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

非盲検下での重炭酸Na投与は推奨されておらず実施頻度も低かったものの、 その使用や介入後の臨床判断が群間差を縮小させた可能性があります。

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背景

代謝性アシドーシス合併ショックへの重炭酸Na投与の是非は不明

代謝性アシドーシスは重症患者で高頻度にみられ、 臓器障害や死亡と関連する。 重炭酸ナトリウム (Na) はアシデミアの補正に用いられるが、 血管収縮薬を要する代謝性アシドーシス患者における有益性は明らかでなかった。

研究デザイン

7ヵ国55のICUで血管収縮薬投与中の代謝性アシドーシス患者を無作為化

本試験は、 プラグマティックかつアダプティブな二重盲検無作為化比較試験 (SODa-BIC) である。 7ヵ国、 55のICUで血管収縮薬を投与中の代謝性アシドーシスを有する成人500例を対象とし*、 以下の2群に無作為化した。

  • 重炭酸Na群 (245例)
  • プラセボ群 (5%ブドウ糖液)群 (255例)
*代謝性アシドーシスの組入れ基準 : pH 7.30未満、 BE -4mmol/L以下、 動脈血二酸化炭素分圧が非挿管下45mmHg以下または挿管下50mmHg以下

割付薬は最長5時間かけて持続投与し、 pH 7.30以上かつBE 0mmol/L以上を目標に投与速度を調整した。

主要評価項目は、 30日以内の主要有害腎イベント (死亡、 腎代替療法の使用、 または持続的腎機能障害の複合) とした。

結果

主要有害腎イベントに有意差なし

主要評価項目である30日以内の主要有害腎イベントに、 両群間で有意差は認められなかった。

30日以内の主要有害腎イベント

  • 重炭酸Na群 : 98例 (40.2%)
  • プラセボ群 : 100例 (39.4%)
補正後差1.2㌽ (95%CI -7.1~9.4㌽、 p=0.78)

腎代替療法使用・院内死亡にも差はなし

30日以内の腎代替療法使用および、 30日までの院内死亡にも差は認められなかった。

30日以内の腎代替療法使用

  • 重炭酸Na群 : 16.8%
  • プラセボ群 : 20.9%
補正後差 -3.9㌽ (95%CI -10.6~2.7㌽) 

30日までの院内死亡

  • 重炭酸Na群 : 25.4%
  • プラセボ群 : 24.0%
補正後差 1.8㌽ (95%CI -5.6 ~ 9.2㌽)

有害事象にも差はなし

有害事象は重炭酸ナトリウム群で4例 (1.6%) に発生し、 プラセボ群では0例であったが、 両群間で有意差は示されなかった (p=0.06)。

結論

腎イベントリスク低下にはつながらず

著者らは、 「血管収縮薬を投与中の代謝性アシドーシス重症患者における重炭酸Na使用は、 プラセボと比較して30日以内の主要有害腎イベントのリスク低下にはつながらなかった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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