HOKUTO編集部
21時間前

PD-L1陰性 (TPS<1%) の未治療進行非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 TROP2標的抗体薬物複合体 (ADC) であるsacituzumab tirumotecan (sac-TMT)+ペムブロリズマブ併用療法について、 化学療法+ペムブロリズマブを対照とした第Ⅲ相無作為化比較試験OptiTROP-Lung06の中間解析結果が報告された。 sac-TMT+ペムブロリズマブ群は、 化学療法+ペムブロリズマブ群に比べ、 主要評価項目の無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長した。 中国・Shanghai East HospitalのCaicun Zhou氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med誌2026年10月25日オンライン版¹⁾に掲載された。
PD-L1陰性の進行非扁平上皮NSCLCの1次治療では、 ペムブロリズマブ+化学療法が標準治療であるが、 PFS中央値は約6ヵ月、 全生存期間 (OS) 中央値は約17ヵ月にとどまる。
sac-TMTは、 PD-L1陽性例対象の第Ⅲ相試験 (OptiTROP-Lung05試験) において、 ペムブロリズマブとの併用で単独と比べてPFSを有意に延長した²⁾。
OptiTROP-Lung06は中国81施設で実施の第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験であり、 未治療のStage ⅢB/ⅢC (根治治療不適応) またはStage Ⅳの非扁平上皮NSCLC (PD-L1 TPS<1%、 EGFR/ALKなど標的遺伝子異常なし、 ECOG PS 0/1) 455例を1:1で無作為化した。
主要評価項目は盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFSで、 副次評価項目は全生存期間 (OS)、 担当医評価によるPFS、 奏効率 (ORR)、 奏効持続期間 (DoR)などであった。
事前規定の中間解析 (データカットオフ2026年6月9日) の追跡期間中央値は9.7ヵ月であった。
患者背景は、 年齢中央値63歳、 男性72.1%、 ECOG PS 1 82.4%、 ステージⅣ 91.6%と均衡していた。
PFS中央値は、 sac-TMT+ペムブロリズマブ群では15.0ヵ月 (95%CI 9.9ヵ月–NE) だったのに対し、 化学療法+ペムブロリズマブでは群5.7ヵ月 (同5.5–7.4ヵ月) であり、 進行・死亡リスクが51%低減した (HR 0.49、 95%CI 0.36–0.65、 両側p<0.0001)。
12ヵ月PFS率は51.1% vs 22.8%であった。
OSはimmatureであったが、 HR 0.58 (95%CI 0.38–0.88)、 12ヵ月OS率は77.6% vs 66.4%とsac-TMT+ペムブロリズマブ群で良好な傾向が認められた。 なお、 OSの仮説検定は計画されていない。
ORRは50.2% vs 47.3%と同等であったが、 DoR中央値は13.6ヵ月vs 6.8ヵ月と、 sac-TMT+ペムブロリズマブ群で延長傾向が認められた (HR 0.47、 95%CI 0.29–0.77)。
Grade≧3の治療下で発現した有害事象 (TEAE) は47.6% vs 60.6%とsac-TMT+ペムブロリズマブ群で頻度が低く、 好中球数減少19.7% vs 28.8%、 貧血6.1% vs 20.4%、 血小板数減少3.9% vs 14.6%と血液毒性が低頻度であった。 口内炎はGrade≧3が2.2%で、 間質性肺疾患や肺臓炎の増加は認めなかった。
Zhou氏は 「本試験は、 TROP2標的ADC+PD-1阻害薬の併用がPFSで優越性を示した初の第Ⅲ相試験であり、 PD-L1陰性NSCLCの1次治療としてsac-TMT+ペムブロリズマブの有益性を裏付けるものだ」 と結論。 限界点として、 OSがimmatureであること、 中国のみを対象とし日本人は含まれないことを挙げている。
1) N Engl J Med. 2026年10月25日オンライン版
2) Lancet. 2026 Jun 27;407:2607-2619.
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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