海外ジャーナルクラブ
2年前
Tamuraらは、 日本多施設共同コホート研究の参加者を対象に、 炭水化物および脂質の摂取量と死亡リスクとの関連をコホート研究で検討。 男性では炭水化物摂取量が低い場合、 女性では炭水化物摂取量が高い場合に死亡リスクが高くなる傾向が見られた。 本研究は、 J Nutr誌において発表された。
現在、 プロテイン摂取が盛んに行われていますのでタンパク質摂取と転帰との関連も気になるところです。 男性において低炭水化物摂取と死亡率増加との関連が観察されたことは注目です。
炭水化物や脂肪の摂取量と死亡率の関連については、 これまでのコホート研究で矛盾する結果が得られている。
炭水化物からのエネルギー摂取が50~55%の男性に比べ、 40%未満の摂取者は、 全死因死亡リスクが有意に高かった。
追跡期間が5年以上の女性では、 炭水化物摂取量が多い女性は全死亡リスクが高かった。 多変量調整HRは、 エネルギー摂取の65%以上が炭水化物である場合、 50~55%未満に比べて1.71 (95%CI 0.93~3.13) だった (P-trend = 0.005)。
脂肪摂取量の多い男性は、 がん死亡リスクが高かった。 多変量調整後のHRは、 20~25%未満のグループと比較して、 ≧35%のグループで1.79 (95%CI 1.11-2.90) であった。
脂肪摂取量は、 女性における全死亡およびがん死亡のリスクとわずかに逆相関していた (それぞれP-trend = 0.054および0.058)。
男性では低炭水化物摂取、 女性では高炭水化物摂取で死亡率との転帰不良な関連が観察された。 日本人成人のうち、 炭水化物摂取量が比較的多い女性では、 高脂肪摂取が死亡リスクの低下と関連する可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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