Kuroda Mらは, 標準用量の経口抗凝固薬が適切と考えられない80歳以上の心房細動(AF)患者984名を年齢ごとに3群に層別化し、低用量エドキサバン (15 mg1日1回) の有効性を検討するELDERCARE-AF試験のサブ解析を実施. エドキサバン投与による脳卒中または全身性塞栓症の予防効果は90歳以上を含む全年齢層で一貫した. 本研究はJAMA Cardiol誌において発表された.
研究デザイン
- ELDERCARE-AF試験において、 標準用量の経口抗凝固薬が適切と考えられない80歳以上のAF患者984名を年齢ごとに3群にわけ実施.
- 80~84歳
- 85~89歳
- 90歳以上
- 各群をエドキサバン投与群 (15mg1日1回) とプラセボ群に1対1で無作為に割り付け.
評価項目
- 有効性主要評価項目は、 脳卒中または全身性塞栓症の複合とした.
- 安全性主要評価項目は、 国際血栓止血学会が定義する大出血とした.
研究結果
有効性評価
- エドキサバン投与群で、 脳卒中または塞栓症のイベント発生率は一貫して低下した.
- 年齢との相互作用は認められなかった.
- 80~84歳 : HR 0.41;95%CI 0.13~1.31, P=0.13
- 85~89歳 : HR 0.42, 95%CI 0.17~0.99, P=0.05
- 90歳以上 : HR 0.23, 95%CI 0.08~0.68, P=0.008
- 相互作用 : P=0.65
安全性評価
- 大出血および大出血または臨床的に関連性のある非大出血イベントは, エドキサバン投与群で数値的に高くなったが, その差は統計的有意差には至らず, 年齢との交互作用は認められなかった.
- 全死亡のイベント発生率は, 全年齢層でエドキサバン投与群とプラセボ群の間に差はなかった.
原著
Kuroda M, et al. Effect of 15-mg Edoxaban on Clinical Outcomes in 3 Age Strata in Older Patients With Atrial Fibrillation: A Prespecified Subanalysis of the ELDERCARE-AF Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiol. 2022 Apr 13;e220480. doi: 10.1001/jamacardio.2022.0480. PMID: 35416910
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最終更新:2022年5月13日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人