アセトアミノフェン、「重篤な腎不全」の禁忌解除へ
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HOKUTO編集部

11ヶ月前

アセトアミノフェン、「重篤な腎不全」の禁忌解除へ

アセトアミノフェン、「重篤な腎不全」の禁忌解除へ

厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会の医薬品等安全対策部会安全対策調査会は先月25日、 医療用のアセトアミノフェン含有製剤で禁忌とされていた7集団のうち、 5集団での禁忌を解除することを了承した。 今回禁忌が解除されたのは、 「重篤な腎障害のある患者」「重篤な心機能不全のある患者」「消化性潰瘍のある患者」「重篤な血液の異常のある患者」「アスピリン喘息 (非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発) またはその既往歴のある患者」の5集団となる。

運動器疼痛学会の要望を受けてPMDAが調査実施

今回の禁忌解除は、 日本運動器疼痛学会が、 アセトアミノフェンの禁忌患者のうち「重篤な腎障害のある患者」および「重篤な心機能不全のある患者」について、 禁忌解除の要望を厚労省に出したことがきっかけとなる。 同要望では、 ①現在発行されている成書、 ガイドラインなどにおいては、 同剤は非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)に比べ腎機能、 体液貯留等に対する影響が少なく、 NSAIDsが使用困難な患者にも治療選択肢になる旨が記載されている、 ②実臨床において、 本剤は腎障害のある患者および心機能障害のある患者に対して使用されるケースが少なくないものの、 これらの患者が禁忌に設定されていることで、 適切な薬物治療の妨げになっているーことが禁忌解除の理由として挙げられた。

これを受け、 厚労省は医薬品医療機器総合機構 (PMDA) に対し調査を依頼。 調査の結果、 関連する成書、 ガイドライン等において、 アセトアミノフェンは消化性潰瘍、 血液の異常およびアスピリン喘息のある患者に対しても治療選択肢となる旨が確認された。 また禁忌患者に該当する可能性がある国内副作用症例などを詳細に検討した結果、 調査対象品目との因果関係が否定できない症例は認められなかった。 さらに研究報告においても、 鎮痛薬関連の有害事象の解析結果において、 アセトアミノフェンに関する記載は認められなかった。

「禁忌」の項から削除するとともに、 注意喚起を行う

「重篤な心機能不全のある患者」「消化性潰瘍のある患者」「重篤な血液の異常のある患者」の3つの集団については、 「禁忌」の項から削除するとともに、 使用に関して「特定の背景を有する患者に関する注意」において注意喚起を行うこととなった。

「重篤な腎障害のある患者」については、 「禁忌」の項から削除し、 本剤の投与量および投与間隔の調節を考慮する旨の注意喚起を行う。

「アスピリン喘息 (非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発) またはその既往歴のある患者」については、 単剤およびジプロフィリン・アセトアミノフェン等配合剤は「禁忌」の項から削除し、 単剤の「用法及び用量に関連する注意」の項目において、 本剤1回300mg 以下とする旨の注意喚起を行う。 トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤は、 「抜歯後の疼痛」に対しては引き続き禁忌とし、 「非がん性慢性疼痛」に対しては「1回1錠とすること」および「当該配合剤を用いず、 個別のアセトアミノフェン製剤を用いた用量調節を考慮すること」の注意喚起を行う。

一般用医薬品については今後検討に

なお、 アセトアミノフェンを含有する一般用医薬品についても、 リスクは医療用医薬品と同様に評価できるため、 医療用と同様に禁忌を解除することは可能であると考えられるが、 対象となる医薬品が多数あることなどから、 厚労省側は「情報を整理した上で、 『使用上の注意』の改訂の要否等について、 後日安全対策調査会に報告等をする」としている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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