【Lancet Oncol】進行性淡明細胞腎細胞癌、チロシンキナーゼ阻害薬中断でもOSに大きな差なし
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2年前

【Lancet Oncol】進行性淡明細胞腎細胞癌、チロシンキナーゼ阻害薬中断でもOSに大きな差なし

【Lancet Oncol】進行性淡明細胞腎細胞癌、チロシンキナーゼ阻害薬中断でもOSに大きな差なし
Brownらは、 進行性淡明細胞腎細胞癌 (RCC) 患者を対象に、 一時的なチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) の中断がTKIの治療継続に対し非劣性かどうかを非盲検非劣性無作為化対照第Ⅱ/Ⅲ相試験で検討。 その結果、 2群間の非劣性は結論づけられなかったが、 治療中断群と治療継続群の間で臨床的に意味のある余命の短縮はなく、 TKI療法中の治療休止が実行可能であることが示唆された。 本研究はLancet Oncologyで発表された。

原著

Temporary treatment cessation versus continuation of first-line tyrosine kinase inhibitor in patients with advanced clear cell renal cell carcinoma (STAR): an open-label, non-inferiority, randomised, controlled, phase 2/3 trial.Lancet Oncol. 2023 Mar;24(3):213-227.PMID: 36796394

監修医師のコメント

Implications of all the available evidenceの最後の記載が本研究の真の狙いだと思います。 These findings also provide a rationale for further exploration of treatment breaks in patients with renal cell carcinoma receiving treatment with drugs other than tyrosine kinase inhibitors and in patients with other cancers.つまり、 今後世界的な流れとして一時的な薬物治療の中止をがん全体で検討していく方向にあると思います。

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IMDC分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類

腎癌のTNM分類 (UICC-8版)

腎臓癌の病理学的分類 (UICC-8版)

背景

一時的な薬物治療の中止は、 有効性を大きく損なうことなく毒性を緩和する可能性がある。

研究デザイン:

対象

進行性RCCの診断を受けた18歳以上の患者

介入

患者は以下の群に1:1の割合で割り付けられた。

  • 治療中断群:459名
  • 治療継続群:461名
スニチニブ:50mg/日、 またはパゾパニブ:800mg/日の投与

主要評価項目

全生存期間 (OS) と質調整生存年 (QALY)

全生存期間のHRの両側95%CIの下限が0.812以上、 平均QALYの限界差の両側95%CIの下限が-0.156以上であれば非劣性

研究結果

OS

OSについては、 ITT集団のみにおいて非劣性が示された

  • ITT集団の調整HR:0.97、 95%CI 0.83-1.12
  • PP集団の調整HR:0.94、 95%CI 0.80-1.09

QALY

QALYについては、 ITT集団 (n=919) およびper-protocol集団 (n=871) において非劣性が示された

  • ITT集団の限界効果の差:0.06 (95%CI -0.11-0.23)
  • PP集団の限界効果の差:0.04 (95%CI -0.14-0.21)

グレード3以上の有害事象

高血圧

  • 治療継続群:26% (485名中124名)
  • 治療中断群:29% (431名中127名)

肝障害

  • 治療継続群:11% (485名中55名)
  • 治療中断群:11% (431名中48名)

疲労

  • 治療継続群:8% (485名中39名)
  • 治療中断群:15% (431名中63名)

重篤な副作用

患者の21% (920名中192名) が重篤な副作用を経験した。

治療関連死亡

治療関連死亡が12名 (継続治療群:3名、 治療中断群:9名) 報告された。

  • 血管障害:3名
  • 心臓障害:3名
  • 肝胆膵障害:3名
  • 消化器障害:1名
  • 神経系障害:1名
  • 感染症・蔓延:1名

結論

全体として、 2群間で非劣性は確認できなかった。 しかし、 治療中断群と治療継続群の間で臨床的に意味のある生存期間の差はなく、 RCC患者においてTKI療法中の治療休止が実行可能であり、 コスト削減効果が高く、 患者の生活の質にも寄与する可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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