海外ジャーナルクラブ
2年前
Brownらは、 進行性淡明細胞腎細胞癌 (RCC) 患者を対象に、 一時的なチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) の中断がTKIの治療継続に対し非劣性かどうかを非盲検非劣性無作為化対照第Ⅱ/Ⅲ相試験で検討。 その結果、 2群間の非劣性は結論づけられなかったが、 治療中断群と治療継続群の間で臨床的に意味のある余命の短縮はなく、 TKI療法中の治療休止が実行可能であることが示唆された。 本研究はLancet Oncologyで発表された。
Implications of all the available evidenceの最後の記載が本研究の真の狙いだと思います。 These findings also provide a rationale for further exploration of treatment breaks in patients with renal cell carcinoma receiving treatment with drugs other than tyrosine kinase inhibitors and in patients with other cancers.つまり、 今後世界的な流れとして一時的な薬物治療の中止をがん全体で検討していく方向にあると思います。
一時的な薬物治療の中止は、 有効性を大きく損なうことなく毒性を緩和する可能性がある。
進行性RCCの診断を受けた18歳以上の患者
患者は以下の群に1:1の割合で割り付けられた。
全生存期間 (OS) と質調整生存年 (QALY)
OSについては、 ITT集団のみにおいて非劣性が示された
QALYについては、 ITT集団 (n=919) およびper-protocol集団 (n=871) において非劣性が示された
高血圧
肝障害
疲労
患者の21% (920名中192名) が重篤な副作用を経験した。
治療関連死亡が12名 (継続治療群:3名、 治療中断群:9名) 報告された。
全体として、 2群間で非劣性は確認できなかった。 しかし、 治療中断群と治療継続群の間で臨床的に意味のある生存期間の差はなく、 RCC患者においてTKI療法中の治療休止が実行可能であり、 コスト削減効果が高く、 患者の生活の質にも寄与する可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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