【NEJM】FGF21アナログpegozaferminが、 肝線維化やNASHの改善に有効
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【NEJM】FGF21アナログpegozaferminが、 肝線維化やNASHの改善に有効

【NEJM】FGF21アナログpegozaferminが、 肝線維化やNASHの改善に有効
Loombaらは、 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) 患者を対象に、 線維芽細胞増殖因子 (FGF21) アナログpegozaferminの有効性と安全性を二重盲検無作為化プラセボ対照第IIb相試験ENLIVENで検討。 その結果、 pegozaferminは肝線維化の改善効果に優れ、 NASH消失の達成割合も良好であることが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Randomized, Controlled Trial of the FGF21 Analogue Pegozafermin in NASH. N Engl J Med. 2023 Jun 24. PMID: 37356033

👨‍⚕️監修医師のコメント

P2 (第Ⅱ相) 試験なのですが、 最近の傾向として”有効性”の記載が多く、 ”安全性”の記載が少なくなってきている印象があります。 それだけ有効性の高い薬剤が開発されてきている裏付けかもしれません。

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肝線維化のリスク評価

背景

pegozaferminは、 NASHおよび重症の高トリグリセリド血症の治療薬として開発中の長時間作用型のFGF21アナログである。 しかし、 NASH患者に対するその有効性と安全性はまだ十分に確立されていません。

研究デザイン

対象

生検でNASHが確認され、 線維化がF2期またはF3期の患者

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け

  • pegozafermin 15mg:週1回皮下投与
  • pegozafermin 30mg:週1回皮下投与
  • pegozafermin 44mg群:2週に1回皮下投与
  • プラセボ 週1回投与群:週1回皮下投与
  • プラセボ 隔週投与群:2週に1回皮下投与

主要評価項目

  • 24週時点でのNASHの悪化を伴わない線維化の改善
  • 24週時点での線維化の悪化を伴わないNASHの消失

研究結果

線維化が改善した患者の割合

  • プラセボ群:7%
  • pegozafermin 15mg群:22%
プラセボ群との差:14%ポイント、 95%CI -9-38
  • pegozafermin 30mg群:26%
プラセボ群との差:19%ポイント、 95%CI 5-32、 P=0.009
  • pegozafermin 44mg群:27%
プラセボ群との差:20%ポイント、 95%CI 5-35、 P=0.008

NASH消失を達成した患者の割合

  • プラセボ群:2%
  • pegozafermin 15mg群:37%
プラセボ群との差:35%ポイント、 95%CI 10-59
  • pegozafermin 30mg群:23%
プラセボ群との差:21%ポイント、 95%CI 9-33
  • pegozafermin 44mg群:26%
プラセボ群との差:24%ポイント、 95%CI 10-37

安全性評価

ペゴザフェルミン療法に関連した最も一般的な有害事象は、 吐き気と下痢であった。

結論

この第Ⅱb相試験では、 pegozaferminによる治療は肝線維化の改善につながった。 これらの結果はpegozaferminの第Ⅲ相開発への進展を支持するものである。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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