【NEJM】新規非ウイルス性細胞療法exa-celが重症鎌状赤血球症の97%に効果
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【NEJM】新規非ウイルス性細胞療法exa-celが重症鎌状赤血球症の97%に効果

【NEJM】新規非ウイルス性細胞療法exa-celが重症鎌状赤血球症の97%に効果
Frangoulらは、 重症鎌状赤血球症を対象に、 非ウイルス性細胞療法であるexagamglogene autotemcel (exa-cel) の有効性を第Ⅲ相単群非盲検試験で検討。 その結果、 被験者の97%で12ヵ月間以上にわたり血管閉塞発作が発生しなかった。 本研究はNEJMにおいて発表された。 

📘原著論文

Exagamglogene Autotemcel for Severe Sickle Cell Disease. NEJM. 2024 May 9;390(18):1649-1662. PMID: 38661449

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本研究には長期アウトカム調査が続編としてありますが、 研究内容をみてみますと15年後まで追跡調査が実施されるようになっていました。


生体外CRISPR-Cas9でゲノム編集

exa-celはウイルスを用いない細胞療法であり、 生体外のCRISPR-Cas9を用いて自己CD34陽性造血幹細胞・前駆細胞のBCL11Aの赤血球特異的エンハンサー領域のゲノム編集を行うもので、 胎児ヘモグロビン合成を再活性化するように設計されている。

主要評価は1年以上の重度血管閉塞発作の非発生

対象

12~35歳の鎌状赤血球症患者 : 44例

スクリーニング前の2年間に各年2回以上の重篤な血管閉塞発作あり

介入

  • CRISPR-Cas9を用いてCD34陽性造血幹細胞のゲノム編集を実施
  • exa-celの注入前にブスルファンによる骨髄破壊的前処置を実施

主要評価項目

連続12ヵ月間以上、 重度の血管閉塞発作がないこと

主要副次評価項目

連続12ヵ月間以上、 重度の血管閉塞発作による入院がないこと

重度血管閉塞発作と入院を抑制

追跡期間中央値は19.3ヵ月 (範囲0.8~48.1ヵ月)。 全被験者で好中球と血小板の生着を認めた。

主要評価項目

連続12ヵ月間以上、 重度の血管閉塞発作がなかった被験者 : 97% (30例中29例)*

95%CI 83-100%
p<0.001

主要副次評価項目

連続12ヵ月間以上、 重度の血管閉塞発作による入院がなかった被験者 : 100% (30例中30例) *

95%CI 88-100%
p<0.001
*評価に十分な期間追跡した30例

安全性

  • exa-celの安全性プロファイルは、 ブスルファンによる骨髄破壊的前処置および自己造血幹細胞・前駆細胞 (HSPC) 移植と概ね一致した。
  • 癌の発生は認められなかった。

97%で1年間超、 血管閉塞発作なし

著者らは 「exa-celによる治療を受けた鎌状赤血球症患者の97%で、 12ヵ月間以上にわたり血管閉塞発作の発生がみられなかった」 と締めくくっている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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