海外ジャーナルクラブ
21日前
Wazniらは、 心房細動患者を対象に、 カテーテルアブレーション後の左心耳閉鎖術の有効性および安全性を国際共同無作為化比較試験OPTIONで検討した。 その結果、 左心耳閉鎖術は抗凝固療法に比べて出血リスクが低く、 主要有効性評価項目で非劣性が示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。
試験の成功条件について、 Methodsに "If the criteria were met for both superiority regarding the primary safety end point and noninferiority regarding the primary efficacy end point, the trial would be considered successful." とはっきりと記載されています。
心房細動アブレーション後、 脳卒中リスクの高い患者には経口抗凝固療法が推奨されている。 左心耳閉鎖術は、 抗凝固療法に代わる機械的治療であるが、 アブレーション後の有効性と安全性に関するエビデンスが十分ではなかった。
対象は、 CHA₂DS₂-VAScスコアが男性で2以上、 女性で3以上で、 カテーテルアブレーションを受けた心房細動患者1,600例であった。 患者は、 左心耳閉鎖術群と経口抗凝固療法群に1:1で無作為に割り付けられた。
主要安全性評価項目は、 手技に起因しない大出血または臨床的に意義のある非大出血とし、 優越性を検定した。
また主要有効性評価項目は36ヵ月時点での全死因死亡、 脳卒中、 全身性塞栓症の複合とし、 非劣性を検定した。
副次評価項目は、 36ヵ月以前の手技関連出血を含む全大出血とし、 非劣性を検定した。
803例が左心耳閉鎖術群に、 797例が抗凝固療法群に割り付けられた。 平均年齢は69.6±SD7.7歳で、 女性が34.1%、 CHA₂DS₂-VAScスコア平均は3.5±SD1.3であった。
36ヵ月時点で、 主要安全性評価項目のイベント発生率は、 左心耳閉鎖術群が8.5% (65例)、 抗凝固療法群が18.1% (137例) であり、 左心耳閉鎖術の抗凝固療法に対する優越性が示された (優越性のp<0.001)。
主要有効性評価項目のイベント発生率は、 左心耳閉鎖術群が5.3% (41例)、 抗凝固療法群が5.8% (44例) であり、 非劣性が示された (非劣性のp<0.001)。
副次評価項目のイベント発生率は左心耳閉鎖術群が3.9%、 抗凝固療法群が5.0%であり、 非劣性が示された (非劣性のp<0.001)。
23例に心耳閉鎖デバイスまたは手技に起因する合併症が発生した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。