【NEJM】心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖、抗凝固療法に非劣性
著者

海外ジャーナルクラブ

21日前

【NEJM】心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖、抗凝固療法に非劣性

【NEJM】心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖、抗凝固療法に非劣性
Wazniらは、 心房細動患者を対象に、 カテーテルアブレーション後の左心耳閉鎖術の有効性および安全性を国際共同無作為化比較試験OPTIONで検討した。 その結果、 左心耳閉鎖術は抗凝固療法に比べて出血リスクが低く、 主要有効性評価項目で非劣性が示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。

📘原著論文

Left Atrial Appendage Closure after Ablation for Atrial Fibrillation. N Engl J Med. 2025 Apr 3;392(13):1277-1287. Epub 2024 Nov 16. PMID: 39555822.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

試験の成功条件について、 Methodsに "If the criteria were met for both superiority regarding the primary safety end point and noninferiority regarding the primary efficacy end point, the trial would be considered successful." とはっきりと記載されています。

関連コンテンツ

🔢CHA₂DS₂-VAScスコア

心房細動患者の脳梗塞発症リスク

背景

心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖術に関するエビデンスは不足

心房細動アブレーション後、 脳卒中リスクの高い患者には経口抗凝固療法が推奨されている。 左心耳閉鎖術は、 抗凝固療法に代わる機械的治療であるが、 アブレーション後の有効性と安全性に関するエビデンスが十分ではなかった。

研究デザイン

高リスクAF患者を対象に、 左心耳閉鎖と抗凝固療法を比較

対象は、 CHA₂DS₂-VAScスコアが男性で2以上、 女性で3以上で、 カテーテルアブレーションを受けた心房細動患者1,600例であった。 患者は、 左心耳閉鎖術群と経口抗凝固療法群に1:1で無作為に割り付けられた。

主要安全性評価項目は、 手技に起因しない大出血または臨床的に意義のある非大出血とし、 優越性を検定した。

また主要有効性評価項目は36ヵ月時点での全死因死亡、 脳卒中、 全身性塞栓症の複合とし、 非劣性を検定した。

副次評価項目は、 36ヵ月以前の手技関連出血を含む全大出血とし、 非劣性を検定した。

結果

主要評価項目で良好な結果

803例が左心耳閉鎖術群に、 797例が抗凝固療法群に割り付けられた。 平均年齢は69.6±SD7.7歳で、 女性が34.1%、 CHA₂DS₂-VAScスコア平均は3.5±SD1.3であった。

36ヵ月時点で、 主要安全性評価項目のイベント発生率は、 左心耳閉鎖術群が8.5% (65例)、 抗凝固療法群が18.1% (137例) であり、 左心耳閉鎖術の抗凝固療法に対する優越性が示された (優越性のp<0.001)。

主要有効性評価項目のイベント発生率は、 左心耳閉鎖術群が5.3% (41例)、 抗凝固療法群が5.8% (44例) であり、 非劣性が示された (非劣性のp<0.001)。

副次評価項目のイベント発生率は左心耳閉鎖術群が3.9%、 抗凝固療法群が5.0%であり、 非劣性が示された (非劣性のp<0.001)。

23例に心耳閉鎖デバイスまたは手技に起因する合併症が発生した。


※X (旧Twitter) の利用規約に基づき、 サブライセンスが認められている埋め込み形式でポストを紹介しています。 掲載停止のご希望がある場合は、 XのHOKUTO公式アカウント (@HOKUTOmed) までDMでご連絡をお願いします。

ポストのGif画像
【NEJM】心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖、抗凝固療法に非劣性の全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
【NEJM】心房細動アブレーション後の左心耳閉鎖、抗凝固療法に非劣性