海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前

Hassanらは、 乳癌既往のあるBRCA1/2遺伝子変異保有者での両側卵管卵巣摘出術 (BSO) の長期的な健康転帰を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 BSOにより全死因死亡、 乳癌特異的死亡、 2次癌のリスクが低下することが示された。 研究結果はLancet Oncol誌に発表された。
この研究のバイアスを"immortal time bias, and cancer-induced testing bias"として、 それに対する対応が記載されています。 大きなデータセットを用いた観察研究を実施する際の参考になります。
BRCA1/2遺伝子の病的変異は、 乳癌および卵巣癌の危険因子と位置付けられている。
一方、 両側卵管卵巣摘出術 (BSO) は、 乳癌既往歴のあるBRCA1/2変異保有者での卵巣癌リスク軽減のために推奨されており、 この対象者でのBSOの長期的な健康転帰を評価することは重要である。
英国の癌登録データなどを用いて、 1995~2019年に初発の乳癌を発症したBRCA1/2変異保有者3,423例 (BRCA1変異あり: 1,674例、 BRCA2変異あり: 1,740例、 両方の変異あり: 9例) を特定した。
特定した患者について、 BSO実施と全死因死亡率などの長期的な健康転帰の関連を検討した。 追跡期間は中央値5.5年であった。
BSOに、 全死因死亡、 乳癌特異的死亡、 2次癌発症のリスク低下との関連が示された。
一方で、 BSOに心血管疾患、 虚血性心疾患、 脳血管疾患、 乳癌以外での死亡、 反対側乳癌、 うつ病の発症との関連は認められなかった。
著者らは 「乳癌既往歴のあるBRCA1/2変異保有者にBSO実施が推奨される可能性を示唆する結果であった。 BSOを受けた保有者では、 死亡率低下などの便益が示唆され、 有害な長期的健康リスクの増加の懸念は示されなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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