亀田総合病院
2年前
亀田総合病院 東洋医学診療科医長
胃痛、 吐気、 下痢などの消化器症状は日常よく見られますが、 時には標準治療でうまくいかない場合もあります。 そのような時に漢方が役に立つことがあります。 本稿ではストレスに起因する腹部症状に対する漢方治療について紹介します。
以下のような症状がある場合、 ストレスの存在が疑われる。
胸脇苦満:季肋部に圧痛があるかで判断する。
緊張しやすい人の特徴として以下のような症状が挙げられる。
過緊張やストレスが原因で起こる消化器症状のために不登校となっていた2症例であったが、 四逆散、 柴胡加竜骨牡蛎湯の処方により回復し、 通学を再開することができた。
腹痛を軽減する効果
※ストレスの多い人に効果。 手掌の汗に注目して処方すると良い。
神経過敏な状態によく用いられる。 PTSD、 パニック障害などにも有効。
ストレスに伴う心窩部痛や下痢に悩む成人症例。 感情の高まりに効果のある甘麦大棗湯や緊張や腹痛を緩和する四逆散の処方により症状が改善した。
訳もなく涙が出てしまうなど感情のコントロールが出来なくなった時に効果
※BZD系の代用薬として使用可能
ストレスが原因で起こる吐き気や、 不安感が原因で起こる上腹部痛や腹部膨満感を訴える高齢女性に鎮静作用のある抑肝散加陳皮半夏や精神安定作用のある半夏厚朴湯を処方することで症状の改善が見られた。
精神症状:怒りっぽい、 神経症、 不眠症
身体症状:眼瞼痙攣
精神安定作用、 鎮咳去痰作用、 制吐作用
身体症状:喉のつかえ
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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