海外ジャーナルクラブ
2年前
Bryanらは、 自家幹細胞移植が予定されている再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象に、 イホスファミド、 カルボプラチン、 エトポシド(ICE) 療法へのペムブロリズマブ上乗せの効果を第Ⅱ相多施設共同非ランダム化臨床試験で検討。その結果、 ICE化学療法へのペムブロリズマブの上乗せは忍容性が高く、 奏効率も高いことが明らかとなった。本研究はJAMA Oncol誌にて発表された。
再発・難治性症例に対して広く行われている救援化学療法にペムブロリズマブを併用し、 完全寛解が得られたら移植まで行うという治療戦略での第Ⅱ相試験です。完全寛解率86.5%と高い奏効率が確認されており、 conclusionにあるhighly effectiveという言葉がアカデミア的には試験結果の半端ない強さを物語っています。
本試験は、 自家幹細胞移植が予定されている再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対して、 チェックポイント阻害薬と従来の化学療法との同時治療を検討することを目的とした初の臨床試験である。
ECOG PSが0または1であり、 1または2ラインの前化学療法を受けた再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の18歳以上の患者42例。
ペムブロリズマブ(200mgを1日目に静脈投与) とICE化学療法を21日ごとに2サイクル行い、 その後幹細胞の動員・採取を行い、 ペムブロリズマブ単剤療法を1サイクル行った後、 FDG-PET/CTによる効果判定を行う。
FDG-PET/CTで検出された完全奏効率(Deauvilleスコアが3以下と定義)。
無増悪生存期間(PFS)、 全生存期間(OS)、 幹細胞動員、 好中球および血小板の生着など。
FDG-PET/CTで評価された完全奏効率は86.5%(95%CI、 71.2%-95.5%)、 全奏効率は97.3%(36例)、 部分奏効率は10.8%(4例) であった。
2例の患者でFDG-PET陽性の新たな領域が生検され、 非乾酪変性肉芽腫(1例)、 反応性リンパ節(2例) が確認された。
ICE化学療法にペムブロリズマブを上乗せしても、 幹細胞の動員、 採取または生着への悪影響はなかった。
ICE化学療法にペムブロリズマブを追加した場合、 化学療法のみのレジメンの先行報告と比較して、 忍容性が高く、 高い効果が得られることが示唆された。これは自家幹細胞移植の対象となる再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者におけるさらなる検討を支持している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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