HOKUTO編集部
9日前

未治療の進行扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、 抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimab+化学療法と抗PD-1抗体チスレリズマブ+化学療法を比較した二重盲検第Ⅲ相無作為化比較試験HARMONi-6の全生存期間(OS)解析結果が報告された。 ivonescimab群はOSを有意に延長し、 死亡リスクを34%低減した。 中国・Shanghai Chest HospitalのShun Lu氏が発表した。 同試験の詳細はLancet.誌2026年5月31日オンライン版¹⁾に掲載された。
進行扁平上皮NSCLCの1次治療では抗PD-(L)1抗体+化学療法が標準レジメンだが、 OSの有意な延長を示した試験は限られる。 ivonescimabはPD-1とVEGFを同時に標的とする世界初の二重特異性抗体で、 先行のPFS中間解析でチスレリズマブ+化学療法に対する優越性が示されていた。 今回その事前規定OS解析が報告された。
同試験では、 未治療のStage Ⅲ~Ⅳ扁平上皮NSCLCを対象に、 ivonescimab 20mg/kg Q3WまたはPD-1抗体チスレリズマブ 200mg Q3Wを、 それぞれパクリタキセル(175mg/m²)+カルボプラチン(AUC 5) 4サイクルに併用し、 以後ivonescimabまたはチスレリズマブ単剤で維持する2群に1:1で無作為に割り付けた。
病期とPD-L1 TPS(≧1% vs <1%)で層別化。 主要評価項目はIRC判定によるPFS、 OSは主要な副次評価項目で、 PFSの有意性確立後に階層的に検定された。
532例(各群266例)が割り付けられた。 データカットオフは2026年2月27日、 追跡期間中央値は21.4ヵ月だった。
OS中央値は、 ivonescimab群では27.9ヵ月(95%CI 27.89ヵ月-NE)であり、 チスレリズマブ群の23.7ヵ月(95%CI 20.11ヵ月-NE)に比べて、 死亡リスクを34%低減した(HR 0.66、 95%CI 0.50-0.87、 片側p=0.0017)。 これは事前規定の有意水準(片側p<0.0049)を満たしていた。 24ヵ月OS率は64.7% vs 48.6%だった。
OSベネフィットは事前規定サブグループ全体で一貫していた。 PD-L1 TPS<1%ではOS中央値NE vs 18.6ヵ月(HR 0.64、 95%CI 0.43-0.96)、 TPS≧1%ではNE vs 27.3ヵ月(HR 0.68、 95%CI 0.46-0.99)だった。
なお、 PFSについては、 今回のOS解析に先立つ中間解析で、 ivonescimab群の有意な延長が既に示されていた (中央値11.1ヵ月 vs 6.9ヵ月、 HR 0.60、 95%CI 0.46-0.78、 p<0.0001)。
Grade≧3の治療関連有害事象(TRAE)の発現は、 ivonescimab群で69.2%、 チスレリズマブ群で58.9%だった。 治療中止に至ったTRAEは5.3% vs 4.5%、 死亡に至ったTRAEは3.8% vs 1.5%。 VEGF関連が疑われる有害事象はivonescimab群で多くみられ、 出血は24.8% vs 12.1%(Grade≧3は2.6% vs 0.8%)だったが、 多くはGrade 1~2だった。 新たな安全性シグナルは認められなかった。
以上よりLu氏は、 ivonescimab+化学療法が、 未治療の進行扁平上皮NSCLCにおいて、 チスレリズマブ+化学療法に対し統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOS延長を示したと報告した。 本レジメンは、 有効性が確立した抗PD-1抗体併用療法を対照とする比較試験で臨床的優越性を示した初のレジメンであり、 扁平上皮NSCLCの新たな標準治療となり得るとの見解を示した。
【Lancet】PD-1/VEGF標的二重特異性抗体、 扁平上皮NSCLCの1次治療でPFS改善
【HARMONi】新規二重特異性抗体ivonescimab併用、 既治療EGFR+NSCLCのPFS改善
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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