海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Yanoらは、 米国のNIH-AARP食事・健康研究 (NIH-AARP Diet and Health Study) データを用いて、 口腔癌における解剖学的部位ごとの病因の異質性を定量的に評価した。 その結果、 喫煙・飲酒による口腔癌リスクおよび人口寄与割合 (PAF) は部位により大きく異なることが示され、 さらに野菜摂取量と口腔舌癌リスクとの予期せぬ関連も認められた。 本研究はCancer誌において発表された。
噛みタバコや口唇癌に関連する紫外線曝露など一部の重要なリスク因子の情報が欠如していた点をlimitationに記載しています。
口腔癌は一般に病因が類似していると考えられており、 その大部分 (75%以上) は喫煙および飲酒に起因するとされている。 しかし近年、 米国や欧州諸国では口腔癌の発生率の動向に乖離がみられており (多くの口腔癌では減少傾向にある一方で、 舌癌は増加傾向)、 病因の違いが示唆されている。
そこで本研究では、 米国のNIH-AARP Diet and Health Studyデータを用いて、 口腔癌における部位ごとの病因の異質性を定量化した。
Cox回帰モデルを用いて、 口腔内の解剖学的部位ごとのリスク因子との関連 (HRおよびPAF) ならびに病因の異質性を評価した。
49万969例 (673万2,760人年) の観察対象において、 新規口腔癌の発症が765例で認められた。
口腔癌の各部位における喫煙・飲酒との関連性には顕著な異質性が認められた (現在喫煙者・1日2杯超の飲酒者 vs 非喫煙者・非飲酒者のHR : 口腔底 14.7、 硬口蓋・その他口腔 8.1、 口腔舌 4.9、 歯肉 2.6、 口唇 1.5)。
喫煙・飲酒のPAFも部位により大きく異なり、 口唇では12.0%であったのに対し、 口腔底では56%に達した。
また、 野菜摂取量*の増加と口腔舌癌リスク上昇との間に予期せぬ関連が認められた。
HR 1.13 (95%CI 1.01-1.27)
HR 1.43 (95%CI 1.20-1.70)
HR 2.31 (95%CI 1.30-4.12)
HR 1.38 (95%CI 1.07-1.78)
野菜全体 (HR 1.12)、 ナス科野菜 (HR 1.26)、 濃緑葉野菜 (HR 1.32) との関連は、 約15万5,000例を対象とした既存の米国前向きコホート研究であるPLCO試験でも同様の傾向が示されていた。
著者らは 「本結果は、 病因研究において口腔癌部位を細分化して検討する必要性、 および広く受け入れられている喫煙・飲酒の相対リスクおよび寄与割合を再評価する必要性を支持している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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