海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Bidardらは、 ESR1遺伝子変異が出現したHR陽性・HER2陰性進行乳癌患者を対象に、 1次治療中にアロマターゼ阻害薬から次世代選択的エストロゲン受容体分解薬であるcamizestrantへ切り替えることの有効性を無作為化比較試験 (SERENA-6) で検討した。 その結果、 camizestrantへの切り替えは無増悪生存期間を有意に延長させることが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。
First-Line Camizestrant for Emerging ESR1-Mutated Advanced Breast Cancer. N Engl J Med. 2025 Aug 7;393(6):569-580. Epub 2025 Jun 1. PMID: 40454637.
“First-line”という枕詞の使用により、 本研究の臨床上の意義が一層強調されており、 注目すべき論文の1つとなります。
HR陽性・HER2陰性進行乳癌において、 アロマターゼ阻害薬とCDK4/6阻害薬の併用は標準治療であるが、 主な耐性獲得機序としてESR1変異が知られている。 camizestrantは次世代選択的エストロゲン受容体分解薬かつエストロゲン受容体完全拮抗薬であり、 HR陽性進行乳癌で抗腫瘍効果が示されている。
多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験 (SERENA-6) の対象は、 HR陽性・HER2陰性進行乳癌患者で、 アロマターゼ阻害薬+CDK4/6阻害薬 (パルボシクリブ、 ribociclib、 アベマシクリブ) による1次治療を6ヵ月以上受け、 画像上進行のない状態で血中循環腫瘍DNA (ctDNA) 検査によりESR1変異が検出された例であった。
患者は、 camizestrant75 mg 1日1回+CDK4/6阻害薬+プラセボを投与するcamizestrant群とアロマターゼ阻害薬+CDK4/6阻害薬+プラセボを投与する継続群に1:1で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、 担当医評価による無増悪生存期間 (PFS) であった。
3,256例がESR1変異の検査を受け、 315例が適格とされ、 camizestrant群157例、 継続群158例に割り付けられた。 追跡期間中央値12.6ヵ月時点の中間解析において、 PFS中央値は以下の通りであり、 camizestrant群で無増悪生存期間が有意に延長した。
進行または死亡のHR 0.44 (95%CI 0.31-0.60、 p<0.0001)
患者報告による全般的健康状態およびQOL悪化までの期間の中央値は以下の通りであった。
HR 0.54 (95%CI 0.34-0.84)
有害事象による中止率はcamizestrant群1.3%、 継続群1.9%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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