海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Giannakeasらは片側乳癌を対象に、 両側乳房切除術の有効性について、 後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 両側乳房切除術を受けた片側乳癌患者は対側乳癌の発症リスクは著しく低下した一方で、 死亡率は低下しなかった。 本研究はJAMA Oncolにおいて発表された。
index casesの10%は0期であるのに対して、 対側乳癌症例の7%はIV期であり、 死亡の危険性が非常に高かったことは、 対側乳癌症例の死亡ハザードをより高くする可能性があります。
片側乳癌に対する乳房切除術の死亡率に関する有益性は、 これまで明確に示されていない。 本研究は、 片側乳癌患者において、 初回手術に応じた乳癌死亡率を推定することを目的に行われた。
Surveillance, Epidemiology, and End Results (SEER) プログラムのデータベースから同定した、 2000~19年にStage0~Ⅲの片側乳癌 (浸潤性乳癌および非浸潤性乳癌) と診断された女性
手術方法 (乳房部分切除術 vs 片側乳房切除術 vs 両側乳房切除術) により1 : 1 : 1のマッチングを用いて3コホートを作成し、 対側乳癌の発症および乳癌死亡率について20年間追跡調査を行った。 マッチング後、 各治療群の解析対象はいずれも3万6,028例だった。
データ解析は、 2023年10月~2024年2月のデータを基に行われた。
20年間の追跡期間中、 対側乳癌が認められのは以下の通り。
対側乳癌の20年リスクは、 乳房部分切除群・片側乳房切除群で6.9% (95%CI 6.1-7.9%) だった。
累積乳癌死亡率は、 対側乳癌発症後15年後で32.1%だったのに対し、 対側乳癌非発症例では14.5%だった。
HR 4.00 (95%CI 3.52-4.54)
対側乳癌を時間依存性共変量として使用
乳癌死亡率は各治療群においていずれも同程度だった。
著者らは 「対側乳癌の発症により乳癌死亡リスクは大幅に増加する。 一方、 両側乳房切除術を受けた患者は対側乳癌のリスクが大幅に減少したが、 死亡率は乳房部分切除または片側乳房切除を受けた患者と同程度だった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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