【CheckMate 214試験】腎細胞癌に対するイピリムマブ+ニボルマブ
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HOKUTO編集部

1年前

【CheckMate 214試験】腎細胞癌に対するイピリムマブ+ニボルマブ

【CheckMate 214試験】腎細胞癌に対するイピリムマブ+ニボルマブ
未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌において、 免疫チェックポイント阻害剤のイピリムマブ (抗CTLA-4抗体)とニボルマブ (抗PD-1抗体) の併用療法は、 スニチニブに対する有益性が示された。

原著論文

▼中間解析結果

Nivolumab plus Ipilimumab versus Sunitinib in Advanced Renal-Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2018 Apr 5;378(14):1277-1290. PMID: 29562145

▼追跡結果

Nivolumab plus ipilimumab versus sunitinib in first-line treatment for advanced renal cell carcinoma: extended follow-up of efficacy and safety results from a randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2019 Oct;20(10):1370-1385. PMID: 31427204

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CheckMate 214試験の概要

対象

未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌

方法

International Metastatic RCC Database Consortium (IMDC) のリスクスコアにより、 favorable、 intermediate、 poorリスクのサブグループに分類

イピリムマブ (1mg/kg) 静脈内投与+ニボルマブ (3mg/kg) 静脈内投与を3週間ごとに4回実施。 その後、 1,096例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • イピリムマブ+ニボルマブ群 (550例)
ニボルマブ (3mg/kg) を2週間ごとに静脈内投与
  • スニチニブ群 (546例) 
スニチニブ50mg、 1日1回4週間 (6週間サイクル) 経口投与

評価項目

  • 主要評価項目:Intermediate/Poorリスク患者における全生存期間 (OS)、 奏効率 (ORR)、 無増悪生存期間 (PFS)
  • 副次評価項目:全患者における全生存期間 (OS)、 全奏効率 (ORR)、 無増悪生存期間 (PFS)、 安全性

CheckMate 214試験の結果

患者背景

  • 両群で同様であった。 
  • 治療期間の中央値は、 イピリムマブ+ニボルマブ群で7.9ヵ月、 スニチニブ群で7.8ヵ月であった。

OS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
(95%CI 35.6ヵ月-未到達)
  • スニチニブ群:26.6ヵ月
(95%CI 22.1-33.4ヵ月)
HR 0.66  (95%CI 0.54-0.80)、 p<0.0001

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
  • スニチニブ群:37.9ヵ月
(95%CI 32.2ヵ月-未到達)
HR 0.71  (95%CI 0.59-0.86)、 p<0.01

PFS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:8.2ヵ月
(95%CI 6.9-10.0ヵ月)
  • スニチニブ群:8.3ヵ月
(95%CI 7.0-8.8ヵ月)
HR 0.77  (95%CI 0.65-0.90)、 p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.1-11.1ヵ月)
  • スニチニブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.3-11.1ヵ月)
HR 0.85  (95%CI 0.73-0.98)、p=0.03

ORR (95%CI)

イピリムマブ+ニボルマブ群では各リスク群で同等であったが、 スニチニブ群では予後不良患者でORRは低かった。

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:42%
(95%CI 37-47%)
  • スニチニブ群:29%
(95%CI 25-34%)
p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:41%
(95%CI 37-46%)
  • スニチニブ群:34%
(95%CI 30-38%)
p=0.02

PD-L1発現

  • PD-L1発現量に関わらず、 OSはイピリムマブ+ニボルマブ群の方がスニチニブ群より長かった。
  • PFSについては、PD-L1発現が1%以上の患者ではイピリムマブ+ニボルマブ群の方が長かった一方で、 PD-L1発現が1%未満の患者では両群に差はみられなかった。

有害事象

  • イピリムマブ+ニボルマブ群ではリパーゼ増加 (10%)、 アミラーゼ増加 (6%)、 ALT増加 (5%) が多く、 スニチニブ群では高血圧 (17%)、 疲労 (10%)、 手掌足底紅感覚異常 (9%) が多かった。
  • 治療関連死はイピリムマブ+ニボルマブ群で8例、 スニチニブ群で4例であった。 

著者らの結論

未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌の一次治療において、 イピリムマブとニボルマブの併用療法はスニチニブに対し有益であることが示された。 

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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