「医療・介護・生活支援までつなぐ」 れもん在宅クリニック・吉住医師 (後編)
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3日前

「医療・介護・生活支援までつなぐ」 れもん在宅クリニック・吉住医師 (後編)

 「医療・介護・生活支援までつなぐ」 れもん在宅クリニック・吉住医師 (後編)
医療の枠を超え、 地域で生きる人を支える――。  「れもん在宅クリニック」  (栃木県下野市) で院長を務める吉住直子さんの活動は、 医療と介護だけでなく、 生活支援にまで広がっている。 元ヘルパーの医師が思い描くのは、  「医療や介護にちょっと詳しいお節介おばさん」 だ。 

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専用SNSと勉強会で多職種連携を促進

2022年の開業後、 患者数は倍以上に増え、 現在は常勤医2人体制で居宅患者約140人を訪問する。 下野市内外で専門クリニックが増えたこともあり、 「地域全体で、 在宅患者さんを支えられるようになってきた」 と手応えを感じている。

クリニック近くの自治医科大学附属病院などと連携しつつ、 開院時から医療・介護専用SNS 「メディカルケアステーション」 を活用して訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所、 調剤薬局などと患者情報をリアルタイムに共有している。

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※れもんカンファの様子

顔の見える関係づくりとして、 2025年から 「れもんカンファ」 を主催している。 医師や看護師、 ケアマネジャー、 薬剤師、 介護スタッフらが組織の垣根を超えて参加。 症例検討から患者や家族の生活に密着したテーマまで幅広く扱い、 金融機関の職員が 「死後の口座凍結」 について解説するなど異業種から学ぶこともある。

医師が 「大丈夫」 と言えば、 実現できることがある

「最近、 自分のテーマをかなえられた出来事がありました」

吉住さんが笑顔でそう語るのが、 肝硬変を抱えていた60代男性患者との交流だ。 男性には 「昔、 妻と一緒に行った海をもう一度見たい」 という願いがあった。

ケアマネジャーはリスクを懸念して難色を示したが、 吉住さんは 「私が行くから」 と自らハンドルを握り、 1時間以上かけて茨城県大洗町の海に連れて行った。 男性は翌月に亡くなり、 葬儀では海辺で笑う写真が飾られた。

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※患者と訪れた大洗の海

医師が『大丈夫』と言えば、 実現できることがある

ヘルパー時代、 医師の一言で現場が左右される現実に歯がゆさを感じていた吉住さんは今、 医師としての立場を 「患者の夢をかなえるための力」 として活用している。

分院、 デイサービス、 生活の場 「恩返しを形に」

2026年5月、 吉住さんは在宅医としての夢を一つかなえた。 地元・栃木県足利市を訪問範囲とする群馬県太田市に、 分院 「れもん在宅クリニック太田」 を開設した。 院長には、 群馬大学医学部の同級生・土肥光希先生を迎え、 自身も診療に加わる。

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※分院 「れもん在宅クリニック太田」

2026年9月には本院のそばに、 「大人が通いたくなるカフェのような空間」 をコンセプトとしたデイサービスを開設する予定だ。 在宅患者家族のレスパイト機能も兼ねる。

ほかにも、 茨城県結城市で知人の医師が営んでいたグループホームを買い取り、 高齢者の住まいの場として改装している。 「退院して家に帰りたいけれど、 家族の状況などで難しいケースがある。 まるで家にいるようだと思ってもらえるような環境を提供したい」

共同生活、 子ども食堂——私生活も地域とともに

吉住さんは現在、 夫の理解を得て、 一人暮らしの大学生や、 家庭に居場所がない19歳の女性と共同生活を送る。 ヘルパー時代から行っている地域の子どもを対象とした学習支援事業と子ども食堂の運営も続けている。

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※子ども食堂

活動の根幹には、 吉住さん自身の過去がある。

父が病気で倒れて以来、 経済的に苦しい環境で育ち、 「米を買うにも困る状況」 に陥ったこともあったが、 周囲に助けられて成長してきた。 「医師になったことも、 自分を育ててくれた地域への恩返しの一つ。 これからも一つ一つ、 私にできることを還元していきたいです

プロフィール

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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