海外ジャーナルクラブ
2年前
Confortiらは、 プラチナベース製剤を用いた化学療法後に進行したB3型胸腺腫および胸腺癌の患者を対象に、 抗PD-L1阻害薬アベルマブと血管新生阻害薬アキシチニブの併用療法の有効性と安全性を検討する単群多施設共同第Ⅱ相試験を実施 (CAVEATT試験)。 その結果、 アベルマブ+アキチニブ併用療法は、 有望な抗腫瘍活性を有しており、 毒性も許容できる範囲におさまったことが確認された。 本研究は、 Lancet Oncol誌において発表された。
人間は欲なもので、 効くとなれば次には 「より長期のアウトカム、 生死以外のQOLはどうなのか」、 常に気になります。 本研究はN=32でその全てを図として表示しているのですが、 色合いや表示の仕方なども勉強になる論文です。 是非とも本文も読んでいただければと思います。
化学療法に抵抗性の進行B3型胸腺腫および胸腺癌の患者には、 現状では治療選択肢がほとんどない。
対象: B3型胸腺腫または胸腺癌で、 少なくとも1ラインのプラチナベース化学療法後に進行した病期の患者。
患者には、 病勢進行または許容できない毒性が認められるまで、 アベルマブ10mg/kgが2週間ごとに静脈内投与され、 アキシチニブ5mgが1日2回経口投与された。
主要評価項目:RECIST version 1.1に基づき評価された全奏功率。
登録患者は32名。
32名29名 (91%) がⅣB期で、 32名13名 (41%) が血管新生阻害剤による前治療を受けていた。
32名中11名が全奏功を示し、 全奏功率は34% (90%CI 21-50) であった。
最も一般的なグレード3または4の有害事象は高血圧であった
重篤な有害事象 (新たに発症した免疫関連の有害事象) は12% (32名中4名) に認められた。
また、 治療に起因する死亡はなかった。
アベルマブ+アキチニブ併用療法は、 化学療法後に進行した進行性B3型胸腺腫および胸腺癌の患者において、 有望な抗腫瘍活性と許容できる毒性を有しており、 この設定における新しい標準治療の選択肢となる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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