海外ジャーナルクラブ
13日前

Ullernらは、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) 治療中に増悪した進行固形癌患者を対象に、 ICIに長期奏効した患者をドナーとする糞便微生物叢移植 (FMT) とICIの併用を単群第Ⅱa相バスケット試験MITRICで検討した。 その結果、 奏効例を認めず (0/12例)、 臨床活性は限定的であった。 FMT自体の忍容性は良好だったが、 免疫関連毒性は半数に認められた。 試験結果はJ Immunother Cancer誌において発表された。
本試験は対照群を持たない12例の単群第Ⅱa相試験であり、 客観的奏効が0例であったことから、 FMTの上乗せ効果を判断するには適切な対象集団を絞り込んだうえでの比較試験による検証が必要です。
FMTは、 早期相の臨床試験で、 ICI抵抗性の克服に有望性を示してきた。 本試験は、 ICI治療中に増悪した進行固形癌患者に対し、 ICI奏効者をドナーとするFMTの安全性・実施可能性・有効性を検討したものである。
対象は、 ICI抵抗性の固形癌で、 ドナーにはICIに長期奏効した患者が用いられた。 患者はICIと併用してFMTを受けた*。
主要評価項目はFMT関連有害事象と奏効率 (ORR) だった。
12例が登録され、 メラノーマ9例・頭頸部扁平上皮癌 (HNSCC) 1例・腎細胞癌1例・高頻度マイクロサテライト不安定性 (MSI-High) の膵癌1例であった。
奏効は認められず、 病勢安定は12例中5例であった。 プロトコル規定の臨床的有用 (6ヵ月を超える病勢安定) はメラノーマ1例で達成され、 同例では一部病変の縮小がみられ、 33ヵ月後も全身治療を追加せず生存している。 別のメラノーマ1例とHNSCC 1例でも一部病変が縮小する混合反応が観察された。
無増悪生存期間 (PFS) 中央値は1.5ヵ月、 全生存期間 (OS) 中央値は10.1ヵ月であった。
便検体のシーケンス解析では、 大半の患者で初回FMT後のドナー微生物叢の生着が確認された。
末梢血のマスサイトメトリー解析では、 活性化・分化したT細胞シグネチャが良好なPFS・OSと関連した。 一方で、 ナイーブT細胞優位の表現型と骨髄系優位の免疫環境は、 不良な転帰と関連することが示唆された。 CD14陽性単球と血清インターロイキン8 (IL-8) は集団全体で経時的に増加した。
全例が初回FMTを受け、 10例が2回目のFMTも受けた。 FMTは良好な忍容性を示した一方で、 免疫関連毒性は6例に認められた。
著者らは、 「FMTの有益性を明らかにするためには、 適切な対象患者の設定、 ドナー選択基準の確立を含め、 さらなる研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。