海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Bidardらは、 エストロゲン受容体陽性 (ER+) /HER2陰性の早期乳癌患者を対象に、 高リスクでありながら再発率が低い集団を同定するための臨床病理学的アッセイを開発・検証した。 その結果、 術後療法後に良好な予後を示すサブグループを特定し、 治療強化を回避できる可能性が明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
デジタル病理を加えることで、 腫瘍学の目標である 「正しい治療を正しい患者に」 近づき、 約20%の患者で過剰治療を回避できる可能性が示されています。
ER+/HER2-早期乳癌では、 臨床的高リスク例に対しCDK4/6阻害薬などによる術後療法の強化が推奨される一方、 全員が恩恵を受けるわけではない。 標準治療のみで良好な転帰を得られる集団を適切に識別することが臨床上の課題だった。
本研究では、 ER+/HER2-早期乳癌患者を後ろ向きコホートデータを用いてCox比例ハザードモデルを構築し、 患者を低リスク群または非低リスク群に分類した。 前向き試験であるCANTO試験およびUNIRAD試験の高リスク患者を対象に、 盲検下での検証を連続して実施した。 主要評価項目は遠隔無再発期間だった。
本アッセイは、 6,164例の患者データに基づき、 4つの臨床病理学的変数と10のスライド由来の特徴を統合してリスクを層別化した。 2つの前向き試験 (CANTO試験およびUNIRAD試験、 計633例) でその妥当性を検証した結果、 9年時点の遠隔再発および乳癌死がなかった患者の割合は、 低リスク群が95.4%、 非低リスク群が76.8%と、 両群間に顕著な差が認められた。
遠隔無再発期間 (HR 0.21 [95%CI 0.09-0.52]、 p<0.001)、 無浸潤疾患生存期間 (HR 0.31 [同 0.16-0.60]、 p<0.001)、 全生存期間 (HR 0.35 [同 0.13-0.97]、 p=0.044) は低リスク群において有意に良好だった。
著者らは、 「本アッセイが、 ER+/HER2-早期乳癌の高リスク患者の中で、 追加の術後療法の恩恵を受けにくい集団を同定できることを示した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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