海外ジャーナルクラブ
1年前
Zaoutisらは、 5日間の抗菌薬投与後に臨床的改善を示した小児尿路感染症 (Urinary tract infection : UTI) 患者を対象に、 抗菌薬短期投与の有効性を非劣性無作化比較試験SCOUTで検討。 その結果、 短期投与群では標準治療群に比べて治療失敗率が高かったものの、UTIの発生、 有害事象の発生、 耐性菌定着に群間差はみられなかった。 本研究はJAMA Pediatr誌において発表された。
本研究結果からは5日間に短期投与では大丈夫という議論も大切ですが、 治療失敗率は増加しており、 実臨床ベースではその中間の7、8日間程度が妥当なのかもしれません。
UTIの治療期間の推奨基となるような小児特有の比較データは乏しい。
5日間の抗菌薬投与後に臨床的改善を示した生後2カ月から10歳までのUTI患者
その後、 以下の介入を追加した
治療の失敗 (11~14日目の初回フォローアップ受診時より前に症状が持続していたか)
初回フォローアップ受診後のUTI、 無症候性細菌尿、 尿培養陽性、 および耐性菌の消化管定着
短期投与群は標準治療群に比べ、 無症候性細菌尿または尿培養陽性の発生率が高かった。 しかし、 UTIの発生、 有害事象の発生、 耐性菌の消化管定着に群間差はみられなかった。
小児尿路感染症の標準治療群では、短期投与群に比べて治療失敗率が低かった。 しかし、 短期投与群も治療失敗率は低いため、 5日間の抗菌薬投与で臨床的改善が確認された小児には、 短期投与も選択肢として考慮できることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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