海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Whitakerらは、 英国におけるCOVID-19パンデミック中のワクチン接種への躊躇理由を明らかにし、 躊躇をより継続させる要因の特定を試みた。 その結果、 ピーク時で8.0%が躊躇を示したが、 65%はその後ワクチンを接種した。 躊躇理由には、 効果や副反応への懸念、 COVID-19のリスクに対する認知の低さ、 開発者への不信、 ワクチンへの恐怖などがあった。 効果や副反応への懸念といった情報量の増加によって解消される理由は継続的な躊躇とは関連しなかったものの、 リスク認知の低さ、 不信感、 反ワクチン感情などは躊躇を継続させる要因となった。 試験結果はLancet誌に発表された。
本研究では複数回にわたってアンケート調査が行われましたが、 毎回同じ質問項目ではなかったため全体像を完全には捉えられなかった可能性があります。
SARS-CoV-2への有効なワクチンが存在したにもかかわらず、 英国の一部集団ではパンデミックを通じてワクチン躊躇が続き、 躊躇の割合やその理由は、 年齢、 性別、 民族性、 社会経済状況などの属性によって異なっていた。 ワクチンを躊躇する特定集団に介入し、 その要因に対処することは感染拡大を迅速に抑える上で重要である。
本研究は、 ワクチン躊躇の要因を明らかにし、 NHS (国民保健サービス) データとの連結によって、 ワクチンにより持続的に躊躇を示すタイプを特定することを目的とした。
まずベースライン時点でのワクチン躊躇について横断的解析を行い、 その後、 躊躇者コホートの接種状況を縦断的に解析した。 解析にはREACT研究データを用い、 参加者は社会人口学的情報、 接種状況、 ワクチンへの態度を自己申告した。 ワクチン躊躇者は、 「接種を拒否した」 「拒否予定である」 「未決定」 と回答した者と定義した。
縦断解析では、 NHSの接種記録との連結に同意した躊躇者について、 調査後の接種有無を調査した。 躊躇理由の分類には合意クラスタリング、 予測因子の分析にはロジスティック回帰を用いた。
2021年1月6日~2022年3月31日に調査された113万7,927例の成人が含まれ、 3.3%がワクチン躊躇を示した。 躊躇率のピークは2021年初頭で、 8.0%に達した。 躊躇を示しNHSデータ連結に同意した2万4,229例のうち、 65.0%がその後1回以上の接種を受けた。
躊躇理由は8カテゴリーに分類され、 効果や副反応への懸念、 COVID-19のリスクに対する認知の低さ、 開発者への不信、 ワクチンへの恐怖などが挙げられた。 効果や健康への懸念に基づく躊躇は接種拡大とともに減少し、 後の接種率とは強く関連しなかった。 一方、 リスク認知の低さや不信感、 反ワクチン感情に基づく躊躇は持続し、 接種率の低さと強く関連していた。
著者らは、 「本研究の結果は、 COVID-19ワクチン躊躇の大部分が、 時間の経過と情報の入手可能性の増加によって克服し得ること、 また具体的な懸念に根ざしていたことを示唆した。 本研究の知見は将来、 ワクチン受容を促進する際の指針となるであろう」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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