海外ジャーナルクラブ
2年前
Werthらは, 皮膚エリテマトーデスの成人患者を対象に, 抗BDCA2ヒト化モノクローナル抗体 「リティフィリマブ」の効果を検討する二重盲検無作為化比較第Ⅱ相試験を実施. その結果, 皮膚エリテマトーデス活動性指数スコア(CLASI-A) が有意に低下することが明らかとなった. 本研究はNEJM誌において発表された.
本研究にように3倍で薬剤のdoseを振る, というのは動物実験含めてよくあるのですが, 50mg,150mg.450mgであんまり差がないので, 逆に15mgとか5mgとかより少量投与での臨床効果が純粋に気になりました. 高価な薬剤ですのでなるべく少量で効果が期待できればと思います.
BDCA2は, 形質細胞様樹状細胞にのみ発現する受容体で, エリテマトーデスの病態に関与するとされる. BDCA2 に対するヒト化モノクローナル抗体であるリティフィリマブによる治療が, 皮膚エリテマトーデス患者の疾患活動性の低下に有効であるかどうかは, これまで大きな研究では検討されていない.
組織学的に確認された皮膚エリテマトーデス (全身症状の有無は問わない) の成人患者を 1:1:1 の割合割り付け.
主要評価項目として、 CLASI-Aスコア (スコアは0~70で, スコアが高いほど広範囲または重度の皮膚病変を示す) によって4群間で反応があるかどうかを用量反応モデルで評価.
ベースライン時の各群の平均CLASI-Aスコア
16週目のCLASI-Aスコアのベースラインからの変化におけるプラセボとの差
リティフィリマブ群の治療関連有害事象
リティフィリマブ最終投与の4カ月後に帯状疱疹髄膜炎1例が確認された.
リティフィリマブによる治療は, 16週間目のCLASI-Aスコアにおいて, プラセボよりも優れていた. 皮膚エリテマトーデスに対するリティフィリマブの効果と安全性を確認するためには, より大規模で長期間の試験が必要である.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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