海外ジャーナルクラブ
1年前
Thaweethaiらは、 SARS-CoV-2感染後の罹患後症状 (PASC) 患者の自己申告による症状を基にPASCの予備的定義を作成し、 PASCの頻度を前向き観察コホート研究で検討。 その結果、 PASCスコアに寄与する症状として12症状 (労作後倦怠感、 疲労、 ブレインフォグ、 めまい、 消化管症状、 動悸、 性欲欲求・性機能の変化、 嗅覚や味覚の喪失または変化、 口渇、 慢性咳嗽、 胸痛、 異常運動) が特定され、 約10%がPASC陽性であることが確認された。 本研究はJAMAにおいて発表された。
SARS-CoV-2感染後の罹患後症状は約10%であり、 この患者群をきちんと定義することが大きな意味を持ちます。 今後さまざまな介入でスコアの経過などが客観的に評価できるようになります。 ちなみに脱毛症はスコア0のようです。
【JAMA】Long COVID症状は感染者の6.2%が経験し、 平均9カ月持続
【Lancet】COVID-19後遺症、感染者の12.7%に症状を確認
SARS-CoV-2感染は、 急性感染後に発生する持続性、 再発性、 または新たな症状やその他の健康影響と関連しており、 PASC、 long-COVIDとも呼ばれる。 PASCを特徴づけるには、 多様な非感染者および感染者から前向きに一様に収集されたデータの分析が必要である。
2023年4月10日以前にRECOVER成人コホートに登録された参加者に対し、 急性症状の発症または検査日から6カ月以上経過後に症状調査を実施
SARS-CoV-2感染
PASCおよび参加者が報告した44の症状 (重症度の閾値あり)
44の症状の内、 37症状が調整オッズ比 1.5以上 (感染者と非感染者) であった。
PASCスコアに寄与する症状は、 労作後倦怠感、 疲労、 ブレインフォグ、 めまい、 消化管症状、 動悸、 性欲欲求・性機能の変化、 嗅覚や味覚の喪失または変化、 口渇、 慢性咳嗽、 胸痛、 異常運動であった。
2021年12月1日以降に初感染し、 感染後30日以内に登録された2,231例のうち、 224例 (10%、 95%CI 8.8%-11%) が6カ月時点でPASC陽性であった。
他の研究のための枠組みを提供する最初のステップとして、 PASCの実用的な定義をするためには、 他の臨床的特徴をさらに取り入れ、 反復的な改良が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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