海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

東京大学大学院臨床疫学・経済学分野の谷口順平氏らの研究グループは、 誤嚥性肺炎に対するアンピシリン・スルバクタム (ABPC/SBT) と第3世代セフェム系抗生物質の臨床的転帰を比較した。 結果、 ABPC/SBTでは死亡率が14.6%、 C. difficile感染症の発生率が2.0%であり、 どちらも第3世代セフェム系抗生物質よりも有意に低かった。 試験結果はRespir Med誌に発表された。
DPCデータ解析のため、 誤嚥性肺炎診断に必要な誤嚥歴・検査値・画像所見・培養結果などの詳細な臨床情報を欠いている点が、 本論文の大きなlimitationです。
誤嚥性肺炎治療における、 ABPC/SBTと第3世代セフェム系抗生物質 (セフトリアキソンまたはセフォタキシム) の臨床的転帰を評価することを目的とする。
日本の全国入院患者データベース (DPCデータベース) を用いて、 2010年7月~22年3月に誤嚥性肺炎と診断された患者を抽出し、 治療内容に基づきABPC/SBT群と第3世代セフェム系抗生物質群に分類した。 傾向スコア重み付け法を用いて、 院内死亡率およびC. difficile感染症の発生率を比較した。
54万8,972例のうち、 42万4,446例がABPC/SBTを、 12万4,526例が第3世代セフェム系抗生物質 (セフトリアキソン : 97.7%、 セフォタキシム : 2.3%) を投与された。
治療期間 (平均±SD) は、 ABPC/SBTで8.5±4.3日、 第3世代セフェム群で7.9±4.1日であった。
ABPC/SBT群では、 院内死亡率とC. difficile感染症の発生率がともに低かった。
院内死亡率
- ABPC/SBT群 : 14.6%
- 第3世代セフェム系抗生物質群 : 16.4%
リスク差-1.8% (p<0.001)
C. difficile感染症の発生率
リスク差-0.8% (p<0.001)
著者らは、 「誤嚥性肺炎患者において、 ABPC/SBTは第3世代セフェム系抗生物質と比較して、 院内死亡率およびC. difficile感染症の発生率が低いことが示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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