【J Clin Oncol】マンモグラフィ検診間隔が進行乳癌のリスクやOSと関連
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2ヶ月前

【J Clin Oncol】マンモグラフィ検診間隔が進行乳癌のリスクやOSと関連

【J Clin Oncol】マンモグラフィ検診間隔が進行乳癌のリスクやOSと関連
Zuleyらは、 米国の乳癌患者を対象に、 マンモグラフィ検診の間隔が進行癌 (stageⅡB以上) の発見率と全生存率 (OS) に及ぼす影響を、 実施施設の研究データマートを用いた研究で検討した。 その結果、 年1回のマンモグラフィ検診が進行癌リスクの低下およびOSの改善と関連していることが明らかとなった。 本研究は、 J Clin Oncol誌で発表された。 

📘原著論文

Breast Cancer Screening Interval: Effect on Rate of Late-Stage Disease at Diagnosis and Overall Survival. J Clin Oncol. 2024 Aug 21:JCO2400285. Online ahead of print. PMID: 39167740

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

年1回を「15ヵ月間隔」、 隔年を「15~27ヵ月間隔」 としていることに少し違和感がありますが、 これは 「スクリーニングプログラムで生じる差に対応するため」 とのことです。

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JAMA. 2024 Jun 11;331(22):1918-1930.

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Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2024 Mar 1;33(3):365-370.

目的

マンモグラフィ検診の間隔が生存転帰に与える影響は?

乳癌に対するマンモグラフィ検診の有効性については議論が続いている。 本研究では、 検診間隔が進行癌発見率とOSに与える影響を検討した。

研究デザイン

診断前の検診歴を有する乳癌患者を対象に、 検診間隔ごとに生存転帰を評価

2004~2019年に新規に乳癌と診断され、 診断前の検診歴を有する患者8,145例を対象に、 診断直前の2回のマンモグラフィ検診の間隔に応じて以下の群に割り付けた。

  • 年1回群 : 検診間隔 ≦15ヵ月
  • 隔年群 : 検診間隔  >15ヵ月かつ≦27ヵ月
  • 27ヵ月以上群 : 検診間隔 >27ヵ月

主要評価項目は進行癌 (stageⅡB以上) の発見率、 副次評価項目はOSとした。

結果

検診間隔が長いほど進行癌の発見率は上昇し、OSは低下

進行癌の発見率

年1回群で9%、 隔年群で14%、 27ヵ月以上群で19%であり、 検診間隔が長くなるほど有意に上昇した (p<0.001)。 この傾向は年齢、 人種、 閉経状態に関係なく持続した。

OS

年1回群と比較して、 隔年群 (HR 1.42、 95%CI 1.11-1.82)、 27ヵ月以上群 (HR 2.69、 95%CI 2.11-3.43) ともに低下した。

潜在的なリードタイム*で調整後のハザード比は、 隔年群で1.39 (95%CI 1.08-1.78)、 27ヵ月以上群で2.01 (95%CI、 1.58-2.55) であった。

*検診で早期発見されたことで、 見かけ上の生存期間が長くなるバイアス

結論

40歳以上の女性における年1回の検診の有益性を示唆

著者らは、 「年1回のマンモグラフィ検診は、 臨床的および人口統計学的サブグループ全体において、 進行癌リスクの低下およびOSの改善と関連していた。 本研究は、 40歳以上の女性における年1回の検診の有益性を示唆している」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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