海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Zuleyらは、 米国の乳癌患者を対象に、 マンモグラフィ検診の間隔が進行癌 (stageⅡB以上) の発見率と全生存率 (OS) に及ぼす影響を、 実施施設の研究データマートを用いた研究で検討した。 その結果、 年1回のマンモグラフィ検診が進行癌リスクの低下およびOSの改善と関連していることが明らかとなった。 本研究は、 J Clin Oncol誌で発表された。
年1回を「15ヵ月間隔」、 隔年を「15~27ヵ月間隔」 としていることに少し違和感がありますが、 これは 「スクリーニングプログラムで生じる差に対応するため」 とのことです。
乳癌に対するマンモグラフィ検診の有効性については議論が続いている。 本研究では、 検診間隔が進行癌発見率とOSに与える影響を検討した。
2004~2019年に新規に乳癌と診断され、 診断前の検診歴を有する患者8,145例を対象に、 診断直前の2回のマンモグラフィ検診の間隔に応じて以下の群に割り付けた。
主要評価項目は進行癌 (stageⅡB以上) の発見率、 副次評価項目はOSとした。
進行癌の発見率
年1回群で9%、 隔年群で14%、 27ヵ月以上群で19%であり、 検診間隔が長くなるほど有意に上昇した (p<0.001)。 この傾向は年齢、 人種、 閉経状態に関係なく持続した。
OS
年1回群と比較して、 隔年群 (HR 1.42、 95%CI 1.11-1.82)、 27ヵ月以上群 (HR 2.69、 95%CI 2.11-3.43) ともに低下した。
潜在的なリードタイム*で調整後のハザード比は、 隔年群で1.39 (95%CI 1.08-1.78)、 27ヵ月以上群で2.01 (95%CI、 1.58-2.55) であった。
著者らは、 「年1回のマンモグラフィ検診は、 臨床的および人口統計学的サブグループ全体において、 進行癌リスクの低下およびOSの改善と関連していた。 本研究は、 40歳以上の女性における年1回の検診の有益性を示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。