【臨床Q&A】プラチナ併用療法+ICI後に増悪した進展型小細胞肺癌の治療選択
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HOKUTO編集部

2ヶ月前

【臨床Q&A】プラチナ併用療法+ICI後に増悪した進展型小細胞肺癌の治療選択

【臨床Q&A】プラチナ併用療法+ICI後に増悪した進展型小細胞肺癌の治療選択

解説 : 赤松弘朗先生¹⁾ / 監修 : 津谷康大先生²⁾

1) 和歌山県立医科大学附属病院腫瘍センター 准教授
2) 近畿大学医学部外科学教室呼吸器外科部門 主任教授

今週のQ&A (肺癌)

進展型小細胞肺癌、 プラチナ併用療法+ICI後に増悪。 PS 1。 プラチナ併用療法の最終投与から病勢増悪までは100日経過。 どの治療を選択しますか?

  1. プラチナ併用療法+ICIのリチャレンジ
  2. アムルビシン
  3. その他の化学療法

内科医はこう考える

【臨床Q&A】プラチナ併用療法+ICI後に増悪した進展型小細胞肺癌の治療選択

それぞれの現状でのエビデンスは以下の通り。

プラチナ併用療法+ICIについて

2020年にプラチナ併用療法とノギテカンの第Ⅲ相試験が行われ、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値は前者で有意に長かったものの (4.7 vs 2.7ヵ月)、 全生存期間 (OS) は同等であった¹⁾。

アムルビシンについて

本邦でプラチナ併用療法と比較した第Ⅱ相試験が行われ、 PFSはアムルビシンで良好だった²⁾。

病勢増悪後のICIのリチャレンジについて

(免疫チェックポイント阻害薬承認以前の) 小細胞肺癌では、 初回化学療法の最終投与から90日後に再発した場合、 以前の治療で有効であった薬剤を再投与する 「リチャレンジ」 療法の意義があるとされてきたが、 病勢増悪した後のICIリチャレンジについては否定的な報告が多い³⁾。

以上より、 2.アムルビシンを考慮する。

外科医はこう考える

【臨床Q&A】プラチナ併用療法+ICI後に増悪した進展型小細胞肺癌の治療選択

外科医が進展型小細胞肺癌の治療に関わることは稀である。 肺癌診療ガイドラインではsensitive relapse*にはノギテカン単剤療法、 シスプラチン+エトポシド+イリノテカン (PEI) 療法、 アムルビシン単剤療法、 カルボプラチン+エトポシド療法が推奨されている⁴⁾。 

CQ17. 再発小細胞肺癌 (sensitive relapse*) に対する最適な薬物療法は何か?
推奨:再発小細胞肺癌 (sensitive relapse*) に対してノギテカン単剤療法、 シスプラチン+エトポシド+イリノテカン (PEI) 療法、 アムルビシン単剤療法、 カルボプラチン+エトポシド療法を行うよう推奨する。 [推奨の強さ:1、 エビデンスの強さ:A、 合意率:100%]
*初回薬物療法が奏効し、 かつ初回治療終了後から再発までの期間が長い患者 (60~90日以上の場合が多い)
日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2023年版. 2023

しかし、 これらのエビデンスは一次治療にICIが含まれていない時代のものであり、 本症例の設定におけるsensitive relapseに対する治療のエビデンスは不足している。

以上より、 2.アムルビシン または 3.その他の化学療法 で今後のエビデンスに期待したい。

参考文献

  1. Carboplatin plus etoposide versus topotecan as second-line treatment for patients with sensitive relapsed small-cell lung cancer: an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2020 Sep;21(9):1224-1233. PMID: 32888454
  2. Randomized phase II trial comparing amrubicin with re-challenge of platinum doublet in patients with sensitive-relapsed small-cell lung cancer: North Japan Lung Cancer Study Group trial 0702. Lung Cancer. 2015 Jul;89(1):61-5. PMID: 26004087
  3. Nivolumab Retreatment in Non-Small Cell Lung Cancer Patients Who Responded to Prior Immune Checkpoint Inhibitors and Had ICI-Free Intervals (WJOG9616L). Clin Cancer Res. 2022 Jun 28;28(15):OF1-OF7. PMID: 35762926
  4. 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2023年版. 2023

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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