HOKUTO編集部
11ヶ月前
解説 : 赤松弘朗先生¹⁾ / 監修 : 津谷康大先生²⁾
それぞれの現状でのエビデンスは以下の通り。
プラチナ併用療法+ICIについて
2020年にプラチナ併用療法とノギテカンの第Ⅲ相試験が行われ、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値は前者で有意に長かったものの (4.7 vs 2.7ヵ月)、 全生存期間 (OS) は同等であった¹⁾。
アムルビシンについて
本邦でプラチナ併用療法と比較した第Ⅱ相試験が行われ、 PFSはアムルビシンで良好だった²⁾。
病勢増悪後のICIのリチャレンジについて
(免疫チェックポイント阻害薬承認以前の) 小細胞肺癌では、 初回化学療法の最終投与から90日後に再発した場合、 以前の治療で有効であった薬剤を再投与する 「リチャレンジ」 療法の意義があるとされてきたが、 病勢増悪した後のICIリチャレンジについては否定的な報告が多い³⁾。
以上より、 2.アムルビシンを考慮する。
外科医が進展型小細胞肺癌の治療に関わることは稀である。 肺癌診療ガイドラインではsensitive relapse*にはノギテカン単剤療法、 シスプラチン+エトポシド+イリノテカン (PEI) 療法、 アムルビシン単剤療法、 カルボプラチン+エトポシド療法が推奨されている⁴⁾。
CQ17. 再発小細胞肺癌 (sensitive relapse*) に対する最適な薬物療法は何か?
推奨:再発小細胞肺癌 (sensitive relapse*) に対してノギテカン単剤療法、 シスプラチン+エトポシド+イリノテカン (PEI) 療法、 アムルビシン単剤療法、 カルボプラチン+エトポシド療法を行うよう推奨する。 [推奨の強さ:1、 エビデンスの強さ:A、 合意率:100%]
しかし、 これらのエビデンスは一次治療にICIが含まれていない時代のものであり、 本症例の設定におけるsensitive relapseに対する治療のエビデンスは不足している。
以上より、 2.アムルビシン または 3.その他の化学療法 で今後のエビデンスに期待したい。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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