海外ジャーナルクラブ
1年前

Ahnらは、 閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性の転移性乳癌患者を対象に、 CDK4/6阻害薬パルボシクリブ+内分泌療法およびカペシタビンの全生存期間 (OS) を比較することを目的として、 第II相無作為化比較試験Young-PEARLのOS解析を実施した。 同試験の長期経過観察の結果、 OSにおけるパルボシクリブ+内分泌療法のカペシタビン対する改善効果は認められなかった。 本研究はLancet Oncology誌で発表された。
PFSで有意差が出て先に論文公表した際には,本研究のようにOSについては必ずフォローアップして後で公表することが重要であるという教訓となります。

Young-PEARL試験では、閉経前のホルモン受容体陽性、HER 2陰性の転移性乳癌患者において、パルボシクリブとエキセメスタンおよびリュープロレリンの併用により、カペシタビンと比較してPFSの延長が報告されているが、OSに対する影響は明らかでなかった。
Young-PEARL試験では、閉経前のホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳癌患者174例が、パルボシクリブ+内分泌療法群とカペシタビン群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)および安全性が設定された。
パルボシクリブ+内分泌療法群:90例
カペシタビン群:84例
追跡期間中央値は54.0ヵ月(IQR 34.1-74.4ヵ月)であった。
PFS中央値は、パルボシクリブ+内分泌療法群で19.5ヵ月(90%CI 14.3-22.2ヵ月)、カペシタビン群で14.0ヵ月(同11.7-18.7ヵ月)であった (ハザード比 [HR] 0.74 [90%CI 0.57-0.98]、p=0.036)。
OS中央値は、パルボシクリブ+内分泌療法群で54.8ヵ月(95%CI 48.9-77.1ヵ月)、カペシタビン群で57.8ヵ月(同46.3-89.2ヵ月)であった(HR 1.02 [95%CI 0.69-1.51]、p=0.92)。
安全性について、グレード3以上の好中球減少症は、パルボシクリブ+内分泌療法群で64%、カペシタビン群で18%に認められた。治療関連死亡はなかった。
著者らは、「閉経前ホルモン受容体陽性HER2陰性転移性乳がん患者において、パルボシクリブ+内分泌療法はカペシタビンに比べてPFSを有意に延長した。一方でOSの改善は認められなかったため、資源の制約がある環境ではカペシタビンを優先することも一つの選択肢となる可能性がある」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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