寄稿ライター
4ヶ月前
こんにちは、 Dr.Genjohです。 連載 「先生の診療科、 食べていけますか?」 の最終回は 「医師余り時代、 地方・診療科ごとの実情は?」 のテーマを考察します。
図1は人口10万人あたりの医師数の全国平均を診療科ごとに表示したものです。 2008年と2020年で比較した場合、 人口10万人対医師の総数は212.9人から256.6人と1.21倍に増えています。
先生自身の標榜科、 または進路先の倍率を全国平均と比較し、 医師の飽和が進行しているか確認してみましょう。 なお、 このデータは医師数のみの比較で、 各科・各地方での患者需要を考慮していないことに注意が必要です。
内科系では、 リウマチ科(2.14倍)、 腎臓内科(2.10倍)、 糖尿病内科(1.96倍)など、 慢性期疾患を取り扱うことが多く、 QOLが担保されやすい科の人気が伸びています。 一方、 「内科」 を標榜する人数は微減しており、 内科でもサブスペシャリティを標榜する医師の割合が増えていることが推察されます。
外科系はサブスペシャリティを標榜する医師数は微増する一方、 「外科」 を標榜する医師は圧倒的に減少しており、 標榜医師数が減少している唯一の科(0.76倍)となっています。 「外科一弱」 と言わざるを得ません。 その中でも乳腺外科は2.43倍と健闘しています。
それ以外の科で特筆すべきは、 やはり美容外科(2.33倍)でしょう。 形成外科とも切り離された独立したデータとなっており、 自由診療への流入の潮流を如実に反映しています。 その他では救急(2.07倍)も人気です。
あくまで全国平均に過ぎないため、 読者の先生方が在住している地方における医師数の増減を知るためには不十分な資料と言わざるを得ません。 ただ、 データが膨大で、 全てを個別に取り上げることが難しいため、 データの調査方法についてご紹介します。
ご自身の置かれた状況を知ることができたでしょうか。 近い将来確実に到来する 「医師余り時代」 をいかに生き残っていくか考えるきっかけとしていただければ幸いです。
Xアカウント : @DrGenjoh
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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